マドゥロの次は? トランプ氏、グリーンランド・キューバ・コロンビアに言及
フロリダ州の私邸で、ベネズエラにおける米軍の作戦を監視するトランプ米大統領(1月3日)|
Molly Riley / The White House via AP
ベネズエラで米軍が大胆な軍事作戦を行った翌日、ドナルド・トランプ米大統領は4日、アメリカの安全保障上の利益を理由に、デンマーク領グリーンランドをアメリカが掌握すべきだとの主張を改めて繰り返した。さらに、世界的なコカイン販売を助長しているとして、コロンビアに対して軍事行動を示唆した。一方、政権の外交トップであるマルコ・ルビオ国務長官は、キューバの共産主義政権について「大いに厄介な状況にある」と述べた。
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の追放後に相次いだトランプ大統領とルビオ長官の発言は、アメリカ政権が西半球でより強い主導的役割を果たそうとしている姿勢を浮き彫りにしている。
トランプ氏は、あからさまではない形で圧力をかけながら、半球内の友好国と敵対国の双方を揺さぶっており、国際社会では「次はどこか」との見方が広がっている。
「今は極めて戦略的な状況だ。グリーンランド周辺にはロシアや中国の船があふれている」と、フロリダの自宅からワシントンに戻る機内で、トランプ氏は記者団に語った。「国家安全保障の観点から、我々にはグリーンランドが必要だ。デンマークにはそれができない」
4日未明に行われたアトランティック誌のインタビューで、ベネズエラでの米軍行動がグリーンランドにどのような影響を与え得るかと問われると、トランプ氏は「彼ら自身が判断することになるだろう。本当のところは分からない」と述べた。
トランプ氏は先月公表した政権の国家安全保障戦略で、「西半球におけるアメリカの優位の回復」を、2期目政権の中核的な指針に据えた。
さらに、欧州の植民地主義を否定した19世紀のモンロー・ドクトリン(モンロー宣言)や、アメリカがパナマのコロンビアからの分離独立を支援し、パナマ運河地帯の確保につなげた際の正当化として持ち出されたルーズベルト・コロラリー(モンロー・ドクトリンの拡張)にも言及し、近隣諸国に対する強硬姿勢の正当性を主張してきた。
トランプ氏はこの文脈で、アメリカ第5代大統領の名を引き合いに出し、その基本文書が「ドンロー・ドクトリン」と呼ばれることもあると、冗談めかして語った。
◆デンマークに広がる不安
3日深夜に米軍がカラカスで実施した作戦と、4日のトランプ氏の発言を受け、鉱物資源が豊富な広大な島グリーンランドを管轄するデンマークでは、懸念が一段と強まっている。
デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は声明で、トランプ氏にグリーンランドを「併合する権利はない」と強調した。また、デンマークは北大西洋条約機構(NATO)加盟国として、既存の安全保障協定を通じ、すでにアメリカに対してグリーンランドへの広範なアクセスを認めていると指摘した。
「売り物ではないことを明確にしてきた国とその人々に対し、歴史的に近しい同盟国が脅しをかけることは容認できない」とし、「アメリカは直ちにこうした姿勢をやめるべきだ」と訴えた。
デンマークは同日、欧州連合(EU)の声明にも加わり、「ベネズエラ国民が自らの将来を決める権利は尊重されなければならない」と強調した。トランプ氏は、ベネズエラを「運営する」と述べ、暫定大統領のデルシー・ロドリゲス氏に対しても従うよう圧力を強めている。
◆SNS投稿がデンマーク側を怒らせる
トランプ氏は4日、グリーンランドの安全保障態勢を強化しようとするデンマークの取り組みを揶揄し、「犬ぞりを1台追加しただけだ」と語った。
さらに、米軍の急襲作戦後、トランプ政権の元高官で現在はポッドキャスターのケイティ・ミラー氏がSNSに投稿した内容が、グリーンランドとデンマーク双方の反感を一層強めた。投稿には、星条旗の色で描かれたグリーンランドの地図とともに、「SOON(もうすぐ)」との文言が添えられていた。
トランプ氏の副首席補佐官であるスティーブン・ミラー氏の妻でもあるミラー氏に対し、デンマークの対米首席公使イェスパー・メラー・ソーレンセン大使は、「デンマーク王国の領土保全が完全に尊重されることを期待する」と投稿で応じた。
トランプ氏は政権移行期から2期目の序盤にかけ、グリーンランドをアメリカの管轄下に置くべきだと繰り返し主張し、同盟国が保有するこの戦略的要衝について、軍事力行使の可能性も排除してこなかった。
この問題はここ数カ月、表立った議論から遠のいていたが、2週間足らず前、トランプ氏が共和党のジェフ・ランドリー・ルイジアナ州知事をグリーンランド担当特使に任命すると述べ、再び注目を集めた。
ランドリー州知事は、無給の立場でトランプ氏を支え、「グリーンランドをアメリカの一部にする」ために尽力すると語っている。
◆キューバへの厳しい警告
一方、ベネズエラの主要な同盟国であり貿易相手国でもあるキューバでも、緊張が高まっている。ルビオ長官がキューバ政府に対し、新たな警告を発したためだ。アメリカとキューバの関係は、1959年のキューバ革命以降、敵対的な状態が続いている。
ルビオ氏はNBCの「ミート・ザ・プレス」で、マドゥロ氏が拘束される前、キューバ当局者がベネズエラで同行していたと述べた。
「マドゥロを警護していたのはキューバ人だった。ベネズエラ人ではなかった」と語り、さらに政権内部の諜報体制もキューバ側が掌握し、「誰が誰を監視するかを管理していた」と指摘した。
キューバ政府は4日夜、国営テレビで読み上げた声明で、米軍作戦により将校32人が死亡したと発表した。
トランプ氏は、長年のアメリカの禁輸措置で打撃を受けてきたキューバ経済はすでに深刻な状態にあり、補助金付きの石油を供給してきたマドゥロ政権の崩壊で、さらに悪化すると述べた。
「完全に沈む」とトランプ氏は語った。
◆コロンビアへの警告
トランプ氏は4日夜、ワシントンへ戻る途上で、ベネズエラの隣国コロンビアと、左派のグスタボ・ペトロ大統領にも警告を発した。
記者団とのやり取りの中で、トランプ氏は、コロンビアは「コカインを製造し、アメリカに売ることを好む病的な男に支配されている」と述べた。
トランプ政権は10月、ペトロ氏とその家族、さらに政権関係者1人に対し、国際的な麻薬取引への関与の疑いを理由に制裁を科した。コロンビアは世界最大のコカイン供給国とされている。
トランプ氏は、マドゥロ氏への圧力を強める中で、ベネズエラからカリブ海に向かったとされる麻薬密輸船に対し、致死的な攻撃を数十回命じた。その後、作戦は東太平洋でコロンビア発と疑われる船舶にも拡大された。
さらにアメリカは9月、コロンビアを麻薬対策への協力が不十分な国のリストに追加した。ほぼ30年ぶりの指定で、これにより対コロンビア支援は大幅に削減された。
「彼がそんなことを続けられるのも長くない」とトランプ氏は4日、ペトロ氏について語った。「コカイン工場や製造施設を抱えている。そんなことは許されない」
アメリカがコロンビアに対して軍事作戦を命じる可能性があるかと問われると、トランプ氏は「悪くない響きだ」と答えた。
By AAMER MADHANI




