中国で大規模軍事パレード、披露された新兵器と新部隊

3日、中国・北京の天安門前で行われた軍事パレード|Ng Han Guan / AP Photo

 中国の大規模な軍事パレードでは、一部の兵器や部隊が初めて公開された。

 3日、北京中心部の大通りで行われたパレードは、第2次世界大戦終結80周年を記念するものだった。中国軍のトップである中央軍事委員会主席の習近平国家主席の前を、部隊が行進した。

◆新部隊と新装備
 行進には海軍や陸軍など従来の中国人民解放軍の部隊に加え、「サイバー空間部隊」のような新設部隊も加わった。新華社によると、この新部隊はサイバーセキュリティの防御措置を担い、実弾演習にも参加したという。

 もう一つの初登場は「情報支援部隊」だ。これは2024年に創設され、軍の即応態勢を支えるためのネットワーク情報システムの構築を担っている。

 中国軍当局者によれば、パレードに登場した兵器や装備の多くは一般に初めて披露されたものだった。海上の艦船を撃破するために設計された極超音速ミサイルも含まれていた。これらの兵器は、日本に司令部を置くアメリカ海軍第7艦隊が西太平洋を哨戒する上で、特に懸念の対象となっている。

 また、AJX002を含む水中ドローンも公開された。AJX002は長い黒色の筒状で、後部にプロペラを備えた細身の潜水艦のような外観だ。さらに、新型の大陸間弾道ミサイルDF-61も登場し、遠距離の目標に核弾頭を運搬し得るとされた。

 このほか、陸・海・空発射型の戦略兵器、先進的な精密攻撃用装備、各種ドローンも披露された。頭上の空では、戦闘機やヘリコプターが編隊飛行を行った。

 中国での大規模な軍事パレードは、中華人民共和国建国70周年を祝った2019年以来、初めてである。

 このパレードは、中国の国民に誇りを抱かせ、国がいかなる攻撃も退けるだけの強さを備えていることを確信させる狙いがあった。一方で、中国の軍事力拡大は、アジアの近隣諸国やアメリカにとって懸念材料でもある。

◆ロシアと北朝鮮が来賓の目玉に
 アメリカや西欧の首脳に加え、日本、インド、韓国の指導者も出席を見送った。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、この行事に出席するため、極めて異例の外遊に踏み切った。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領やイランの大統領らも出席した。

 全体でおよそ二十数人の外国首脳が参加し、東南アジアの一部と、アフリカや南アジアの数カ国からも来賓があった。インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領は、自国で国会議員の特権をめぐる抗議活動により出発が遅れ、3日未明に到着した。

◆基本的に招待客向けの行事
 式典はきわめて綿密に演出され、厳格に管理されていた。沿道に群衆が並んで観覧する類いのパレードではなかった。

 一般市民を一街区先で遮るバリケードが設置され、沿道の商業ビルはパレード終了まで立ち入りを禁じられ閉鎖された。長安街に沿う地下鉄は2日夜から3日朝にかけて運休した。

 多くの人々にとって、観覧方法はテレビかライブ配信に限られた。

Text by AP