戦闘拒否で穴「ジンダン」に監禁されるロシア兵 劣悪な環境で食事もなく

ロシア軍前線司令部を視察するプーチン大統領(4月18日)|Pool Photo via AP

 徴兵逃れが横行しているロシアだが、一度部隊に配属された後も兵士たちの戦闘意欲は高くないようだ。軍務を拒否する兵士たちが多発し、裁判沙汰になった兵だけで1000人以上が確認されているという。現場では上官たちが厳しい処罰を設け、統率に躍起になっている。正気を失うまで穴に閉じ込めるという、帝国時代の処罰法が今も行われているようだ。

◆戦闘拒否の300人を地下に監禁、トイレにも行かせず
 ウクライナのロシア支配地では昨年、命令に反抗した兵士たちが地下に監禁された。米ニューヨーク・タイムズ紙(4月30日)は、ロシアの報道機関などによる情報をもとに、昨年のある時点で、戦闘を拒否した兵士たちが300人ほどウクライナ東部の地下室に監禁されたと報じている。「豚」と呼ばれ、食事を与えられず、トイレや風呂に行くことさえ許されなかったという。

 飲酒により、重い懲罰を受けた兵士もいる。第99連隊の一員のパベル・ゴレロフを名乗るロシア兵の一人は今年4月、英テレグラフ紙(4月23日)に対し、「私たちは泥や雨の中にいて、皆ずぶ濡れです。同僚の顔はつぶれていました」と語る。ゴレロフ氏は「私たちがしたことといえば、少しのビールを飲んだだけなのです」と訴える。

Text by 青葉やまと