射程1600キロ、ピンポイント攻撃できるトマホーク400発購入予定 米中の見方は?

トマホーク巡航ミサイルを発射する米海軍駆逐艦(2017年4月)|Mass Communication Specialist 3rd Class Ford Williams / U.S. Navy via AP

◆攻撃的な兵器を避けてきた日本
 トマホーク購入の動きは、日本の防衛重視の考え方が変化していることを示すとの指摘がある。ワシントン・ポスト紙は、トマホーク購入は日本の長距離攻撃能力を高める結果となり、「攻撃的な兵器を避けてきた長い伝統との衝撃的な決別を意味する」と述べている。こうして自立した攻撃能力を高め、抑止力を確保する動きは、アメリカ側の意向と合致するものだと同紙は論じる。匿名の米当局者は同紙に対し、「アメリカは一方的に手段を講じているだけはない」と説明している。東アジア地域における同盟国の役割を拡大し、アメリカとともに対中国の抑止力を高めることを米側は期待している模様だ。

◆「『中国の脅威』という誇大広告」
 一方、中国人民解放軍の公式サイトであるチャイナ・ミリタリー(2月21日)は、中国社会科学院大学の国立国際戦略研究所で研究助手を務めるヤン・ダンジー氏による記事を掲載した。このなかでヤン氏は、日本がトマホークを購入する理由の一つを「いわゆる『中国の脅威』という誇大広告を続けるためである」と批判している。

 攻撃能力の拡大についてヤン氏は、「日本の自衛隊が『専守』から『防衛と攻撃』の機能にシフトしている」という「危険な兆候」の現れであると否定的に報じている。

Text by 青葉やまと