ロシア・ベラルーシの「移民送り込み」攻撃に備え 欧州でフェンス設置進む
リトアニアは8月下旬、ベラルーシとの国境に設けたフェンスの建設を完了した。フェンスはベラルーシを通ってやってくる不法移民の流入阻止を目的としたものだ。欧州連合(EU)や人権団体はこうした措置に反対しているが、実は欧州で同様の対策を取る国が増えている。
◆嫌がらせに苦慮 リトアニア国境に移民対策
リトアニアはベラルーシ経由で流入する大量の中東、アフリカ出身の不法移民に悩まされており、約1億5000万ユーロ(約215億円)をかけて、ベラルーシとの国境に高さ4メートル、長さ550キロの有刺鉄線つきフェンスを建設した。移民の流入は、ベラルーシが同盟国ロシアと協力して意図的に作り出したハイブリッド攻撃だと見られている。リトアニアは、ベラルーシの国境警備員が移民の手助けをしてリトアニアに不法入国させており、新設したフェンスの破壊も行っていると非難している。(AFP)
もっともリトアニアは不法移民を拘束し施設に収容し、亡命申請を認めないようにしており、「組織的差別」だとして批判を受けている(ラトビアのニュース・ネットワークBNN)。欧州司法裁判所は、こういった行為はEU法違反だという判断を6月に下している。国際人権団体アムネスティは、リトアニアは移民に対して虐待的行為をしているとして非難している(非営利オンライン紙ユーロ・オブザーバー)。
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