ISSを政治利用するロシア、24年以降の離脱を公言 宇宙開発の今後は
ロシアは、世界5つの宇宙機関が参加する国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)からの撤退を示唆。その真相とは。
◆壮大な国際連携プロジェクト
ISSは人間が宇宙空間に一定期間滞在することを可能にしたという点において人類歴史上の偉業だが、同時に壮大な国際連携プロジェクトとしての重要性も高い。ISSはアメリカ航空宇宙局(NASA)、ロシア国営の宇宙開発公社ロスコスモス、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、カナダ宇宙庁(CSA)および欧州宇宙機関(ESA)の5つの宇宙機関が参加し、欧州の各国を数えると合計15ヶ国が共同運営する多国籍プロジェクトだ。1998年にロンチしたISSプロジェクトは、冷戦終結後の米国とロシアのパートナーシップとしても重要な意義がある。
ISSでは7名のクルーが入れ替わりながら滞在。これまでに108ヶ国の研究者が手がける3000以上の調査研究が行われてきた。ISSの設備は、各国の宇宙機関がそれぞれのパーツを手がけている。世界各国から打ち上げられたパーツは、軌道にのってから結合されるというプロセスで組み立てられてきた。それぞれの国・地域の宇宙機関が、個々のハードウェアに対する責任を持ち、運営するというやり方で管理されるISSは、通常のミッションよりも複雑で、国際的な連携が非常に重要になるとのことだ。
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