米が日本に売却承認、中距離空対空ミサイルAIM120 150基400億円
◆40ヶ国で導入実績のある超音速ミサイル
今回売却が承認されたのは、AMRAAMのなかでもAIM-120C-7/8と呼ばれる改良型だ。ユーラシアン・タイムズによると、製造元のレイセオン・ミサイル&ディフェンス社はAIM-120C-7/8を、「世界で最も先進的な、実戦で証明された制空兵器」であると説明している。超音速で飛翔するAMRAAMシリーズ全体としては、40ヶ国での採用実績をもつ。レイセオン社は、アメリカの例ではF15からF35シリーズまで、幅広い戦闘機に搭載されていると説明している。
日本でも過去に数十基から百数十基のAMRAAMミサイルを複数回にわたり購入しており、この実績をもとに売却が認められた模様だ。米国防安全保障協力局は声明を通じ、「日本はすでにAMRAAMを保有しており、これらミサイルを兵力に組み込むことは難しくないだろう」との見解を示している。
◆日米の良好な防衛貿易関係を象徴
今回の売却の承認は海外において、日米間の良好な協力関係の表れだと受け止められているようだ。ブルガリアン・ミリタリー誌(7月28日)は売却承認を報じるなかで、「日本はアジア環太平洋地域におけるアメリカのパートナーとして、アメリカと良好な防衛貿易関係を享受している」と述べている。アメリカは同様の提供要請を、過去にも繰り返し承認してきた。こうした提供の背景として同誌は、中国の存在感が大きいアジア地域において日本を支援し、同時に日本に駐留する米軍の保護も意図していると指摘している。
ユーラシアン・タイムズ誌は、「同盟国と協調した主権維持のための活動は、日本の防衛構造の重要な要素のひとつであるように思われる」と述べ、同盟国・アメリカとの協力関係が日本の防衛に寄与していると指摘している。そのうえで「総じてアメリカの最新ミサイルの提供は、日本空軍(航空自衛隊)の力を増強するだろう」と分析している。
アメリカがミサイル売却を承認したことで、中ロの脅威が高まるなか、日本の防空網は一段と強固なものになりそうだ。
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