ロシア、核魚雷「ポセイドン」搭載用の原潜「ベルゴロド」就役 海の“新冷戦”懸念

ロシア原子力潜水艦「ベルゴロド」(2021年8月)|Yakovlev Sergey / Shutterstock.com

 ロシア海軍に7月初め、世界最長の原子力潜水艦「ベルゴロド」が納入された。表向きは調査船との位置づけだが、いずれは核魚雷を搭載可能となるとの見方が濃厚だ。米ソ冷戦の再来となる恐れが指摘されている。

◆核魚雷射出なら、米沿岸都市を放射性の津波が襲う
 米CNN(7月24日)は、全長184メートル超のベルゴロドが現役潜水艦として最長であり、大陸間弾道ミサイルを搭載する米海軍のオハイオ級原子力潜水艦の171メートルを上回る規模だと報じる。ロシアのタス通信によるとベルゴロドは、目下開発中の核魚雷「ポセイドン」を搭載する可能性がある模様だ。ポセイドンは海底を移動して沿岸の防衛線を突破し、数百マイル(数百キロから千数百キロ)離れた地点を狙う設計になっている。2020年にフォード国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)は、「アメリカ沿岸の複数の都市に放射性の津波が押し寄せる」よう設計されたと述べ、警戒感を示した。

 ベルゴロドについて、米インタレスティング・エンジニアリング誌(7月25日)は、ロシアが誘導弾を搭載して運用しているオスカーII級潜水艦をベースにしたものだと解説している。同誌もやはり専門家らの見解をもとに、世界最大の魚雷であるポセイドンを搭載するため特別に設計変更したとみている。

Text by 青葉やまと