ロシア、「ターミネーター」戦闘車両をドンバスに投入 その意味とは?

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 ロシアはドンバス地方での戦力強化のため、威信をかけた戦闘車両を配備した。同車両はその撃破不能性から「ターミネーター」の俗称でも呼ばれるが、奥の手の投入でプーチンの焦りが顕在化してきたとの見方もある。

◆歩兵から航空戦力までをターゲットに
 配備が報じられている戦闘車は、正式名を「BMPT」という。「戦車支援戦闘車」を意味するロシア語の略称から名付けられた。歩兵の火力を後方から支援する能力を有し、搭載兵器には対戦車ミサイルランチャー4基、30ミリ砲2門、グレネードランチャー2門、機関銃がある。英テレグラフ紙(5月18日)は、「幅広い種類の兵器を備えるターミネーターは、戦車から歩兵、ヘリコプターや低空飛行中の航空機までを破壊することができる」と報じている。

 英インデペンデント紙(5月19日)によるとターミネーターは、「複数の目標と同時かつ複数の高さで交戦する」ことが可能だ。同車両は2013年に初めて公の場で実演され、2017年にはシリアにも配備された。情報筋は「実用性がすでに確立されている」と評価する。ウクライナでも複数の動画により、ドンバス地方の最前線となるルハンスク州のセベロドネツクへと移動している様子が確認されている。

Text by 青葉やまと