フィンランド、スウェーデンのNATO加盟、トルコが拒否? 「前向きでない」理由とは

トルコのエルドアン大統領|Turkish Presidency via AP

 トルコのレジェップ・エルドアン大統領は13日、イスタンブールで記者団の質問に応じ、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に否定的な考えを示した。NATO加盟はメンバー国の全会一致の承認を必要とする。トルコは事実上の拒否権を盾に、北欧とのあいだの既存問題について交渉に出る可能性がある。

◆テロ組織の温床と指摘
 エルドアン氏はフィンランドとスウェーデンがテロ組織の温床になっているとして、2国のNATO加盟に難色を示している。トルコのイブラヒム・カリン大統領報道官は、過激派組織であるクルド労働者党(PKK)がヨーロッパで資金調達活動を実施しており、とくにスウェーデンにおいてはその存在が「強く、オープンであり、広く認められている」と述べた。ロイターが5月14日に報じた。トルコ、アメリカ、EUは、PKKをテロ組織に指定している。

 エルドアン大統領は13日の段階で、NATOの加盟申請へ動くフィンランドとスウェーデンについて「前向きに考えていない」と述べていた。エルドアン氏は、フィンランドとスウェーデンの両国が「テロ組織」の隠れ家となっていると非難している。

Text by 青葉やまと