中国の極超音速兵器、アメリカが衝撃を受けている理由 「スプートニク・ショック」の再来とも
中国が恐るべきスピードで進めるミサイル開発が、アメリカに衝撃を与えている。米軍幹部のジョン・ハイテン前統合参謀本部副議長は退任前の11月16日、中国が昨年夏に行ったテストにおいて、長距離ミサイルが地球を一周していたことを明かした。対するアメリカの極超音速ミサイル開発は停滞しており、技術競争でロシアに水をあけられた「スプートニク・ショック」の再来さえささやかれる。
◆地球一周しターゲットに迫る
中国は昨年7月と8月、極超音速ミサイルの飛行実験を行っていた。単に高速なミサイルというだけでなく、実験は飛行中のミサイルから滑空体を放つという先進的な内容であった。ハイテン副議長は記者団に対し、ミサイルが地球を一周したのち極超音速滑空体を放ったと明かしている。滑空体は中国へ戻り、設置されたターゲットを狙った。最終的にターゲットから20マイル(約32キロ)以上離れた場所に着地したが、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(以下WSJ、11月21日)によると、ハイテン副議長は「十分に近い」距離だと認識しているという。
英フィナンシャル・タイムズ紙(以下FT、11月22日)は、超音速滑空体がロケットによって一度大気圏外の高さまで打ち上げられることから、「スペースシャトルに似ていなくもない」と表現する。滑空体はその速度によってターゲットを破壊するが、さらに中国は核弾頭を搭載可能な滑空体の開発を進めている。
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