中国の一帯一路に陰りか 参加国の反発拡大 米研究所が報告
米国のウィリアム・アンド・メアリー大学のエイドデータ研究所は9月下旬、中国が展開する巨大経済圏構想「一帯一路」について、今後失速するという報告書を発表した。同報告書によると、一帯一路が展開される国々では、中国企業に対する反発や債務が拡大するだけでなく、一帯一路プロジェクト全体の35%で、環境汚染や汚職、労働違反などの問題が発生しているという。また、マレーシアでは総額116億ドル、カザフスタンで15億ドル、ボリビアで10億ドルもの経済プロジェクトが中止になったとされる。同研究所が予測するように、一帯一路は今後失速するのだろうか。
◆スマートフォンで警戒を強めるリトアニア
米国をはじめとする主要国との競争、対立は日常的に報道されているが、エイドデータ研究所が指摘するように中小国からもその声は聞こえてくる。最近では、バルト三国の一つで一帯一路の影響を受けるリトアニアが中国への警戒をあらわにしている。リトアニア国防省は9月下旬、国内で流通している中国製スマートフォンに検閲機能が搭載されているとして、購入しない、もしくはすでに所持していたら処分するよう国民に強く呼びかけた。
国防省が今回指摘したのは、中国の大手家電メーカー「小米科技(シャオミ)」が販売するスマートフォンで、「Free Tibet(チベットに自由を)」や「democracy movement(民主化運動)」「Long live Taiwan independence(台湾独立万歳)」などの言葉を検出、検閲する機能が搭載され、使用者がその言葉を含むネット情報をダウンロードしようとすればそれを妨害できるようになっているという。また、ロックで保護された利用者の個人情報や利用データが遠隔操作で外国のサーバーに送信されていたケースもあったとされる。
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