韓国初の国産戦闘機「KF-21」、ミドルパワーの有力な選択肢に
韓国航空機メーカーの韓国航空宇宙産業は4月、初の国産戦闘機となるKF-21ポラメを公開した。2026年の完成を目指しており、2028年から実戦部隊に投入されるものと見られる。量産に成功すればF-35よりも低価格で輸出可能となる見込みだ。これまでミドルパワーの国々と途上国は戦闘機の購入に二の足を踏んできたが、比較的安価な選択肢の登場により、一斉に導入が進む可能性があると指摘されている。
◆急速な開発で「顕著な実績」目指す
KF-21ポラメは単座式と複座式の2つのタイプを持ち、空対空および空対地ミサイル、および巡航ミサイルを搭載可能だ。韓国の国防調達計画管理局は、試作機を今年中に3機用意し、来年前半までにさらに3機を製作するとの計画を示している。地上試験と飛行試験を経て量産化に向かう見通しで、韓国の文在寅大統領は2028年までに40機、2032年までに120機を配備するとの目標を掲げている。
米CNN(4月9日)はKF-21の構成比率のうち国産化率は65%に留まるものの、「航空機生産で長い歴史を持たない同国にとって、その配備は依然として顕著な実績となる」との見解を示している。量産が開始されれば、5兆9000億ウォン(約5700億円)の付加価値が生まれ、10万人規模の雇用を創出するなど、経済効果への期待も大きい。
米技術解説誌の『ポピュラー・メカニクス』(4月13日)は、2015年に発表されたKF-21が「その後の開発にわずか6年しかかからなかった」と述べ、非常に早いペースで開発が進展していると評価する。ただし、開発パートナーのインドネシアから開発費の支払いが滞っており、必ずしも順風満帆というわけではない。
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