最新インドテロ情勢 たびたび発せられるテロ警戒情報
2020年3月:ニューデリーでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」を支持する組織によるテロの恐れがあるとの情報が発信された。北部カシミール地方で活動するパキスタン人のテロリスト2人が、カシミール地方からニューデリーに向けて移動を開始したとされ、ニューデリーにある主要バスターミナルなどでは警備が強化された。ムンバイでも同様に警備が強化された。
2020年6月:ニューデリーでテロ発生の恐れがあるとして警戒情報が発信される。ニューデリーでテロを実行するため、4人から5人の集団が同市内に潜入したとみられ、それに伴いニューデリーと周辺の街との境、また市内にある病院や繁華街などでの警備が強化された。また、ニューデリーにあるインド中央警察予備隊(CRPF)の施設を狙ったテロの恐れがあるとしたアラートも発信された。
◆アルカイダ系やイスラム国系がテロを呼びかける
インド国内で、アルカイダ系やイスラム国系の組織が根付いて活発に活動しているわけではない。しかし、昨年4月のスリランカ同時多発テロのように、そういった過激思想に共鳴するセル(小集団)や個人が密かに活動している可能性があり、イスラム国やアルカイダなどのイスラム過激派も独自のメディアでインドへの攻撃を呼びかける声明を出し続けている。
今年に入っても、イスラム国系のネット機関誌では、「新型コロナウイルスに治安機関が翻弄されている、いまが攻撃する絶好のチャンスだ」などのメッセージが発信され、インドなどを活動地域とするイスラム過激派組織「インド亜大陸のアルカイダ(AQIS)」は、指導者の殺害に対するインドへの報復テロを実行する姿勢を示した。
インド国内に明確なジハーディストの脅威があるわけではないが、トランスナショナル化したテロの脅威に対して、常に注意が必要である。
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