サウジの核開発疑惑、UAEの原発リスク……懸念される中東情勢
レバノンの首都ベイルートの湾岸施設で8月4日、大量の硝酸アンモニウムによる大爆発が起き、これまでに150人以上が死亡し、6000人以上が負傷した。爆発の様子はすぐにSNSで拡散されたが、強い風と煙が周囲に吹き飛び、まるで原爆が投下されたかのようだった。これによって市民30万人の家々が被害を受け、現地では混乱が続いている。
一方、これまでの報道によると、同爆発は組織や個人によって意図的に行われたものではないという。仮にこれがレバノンと利害関係が対立する者によって行われたとなれば、一気に中東の緊張が高まることになる。
新型コロナウイルスのパンデミック直前、中東ではイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官の殺害をきっかけに、米イランの軍事的緊張がこれまでになく高まった。現在、同緊張は収まっているが、米イラン対立の最前線であるイラクでは、親イランのシーア派武装勢力による駐留米軍を狙った攻撃は依然として続いている。最近の情勢をみて今後の中東リスクを考えたときに、筆者は二つのことを懸念する。
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