米空軍、マイクロ波兵器「フェイザー」を配備へ ドローン群を瞬時に壊滅
ドローン兵器が保安上の脅威と指摘されて久しい。9月にはサウジアラビアの石油プラントが20機前後のドローン群による攻撃を受け、減産を迫られる事態となった。こうした状況のなかアメリカ軍は、フェイザー(PHASER)と呼ばれる指向生エネルギー兵器を初めて配備する。来年中に試験運用を完了し、実用化を目指す計画だ。
◆指向性エネルギー兵器の初配備
フェイザーはマイクロ波を放出するエネルギー兵器であり、敵のドローン群を操縦不能または墜落させるために開発された。米技術誌のポピュラー・メカニクス(9月24日)は、クラス1およびクラス2と呼ばれる重量600キロ以下のドローンに対して機能すると解説している。重量級のドローンや一定速度以上で飛行する個体などに対しては効果が薄れるが、ドローン攻撃に対しては複合的なアプローチで対応する。フェイザーのほかにレーザー兵器や特攻ドローン機などが併用される予定だ。
開発を手がけるのは軍需企業の米レイセオン社だ。ニュース専門局の米FOXニュースは、米国防総省と同社との間で1630万ドル(約1億7600万円)規模の契約が結ばれたと報じている。フェイザーはアメリカ国外へのおよそ1年間にわたる配備を通じて、実用性の評価を受ける。アメリカ軍による指向性エネルギー兵器の配備はこれが初となる。
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