台湾にF-16V戦闘機66機、米が売却へ 「より攻撃的で挑発的」中国紙

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◆米中の摩擦激化か
 アメリカでは台湾にまつわる政策の基本方針を定めた台湾関係法が1979年に成立している。台湾に対して防衛目的の武器を提供する責務が謳われており、今回のF-16V売却の根拠ともなっている。一方中国は、アメリカから台湾への武器供与に強く反対する立場だ。NYT紙は、米中の貿易戦争が長引くなかで、さらに問題が深刻化する可能性を指摘する。中国側には、内政干渉であり主権の侵害だとの捉え方が根強いようだ。

 今年7月にはM1A2Tエイブラムス戦車108両など計22.2億ドル(約2360億円)規模の取引が両国間で行われているが、中国国営のグローバル・タイムズ紙は、戦闘機はこれとは性質の違うものだと報じる。「中国軍機とミサイルの標的にしかならない戦車とは違ってF-16Vは中国本土を脅かす可能性がある」ため、「今回の取引は前回よりも攻撃的かつ挑発的」との専門家の声を伝え、警戒を強めている。

Text by 青葉やまと