台湾にF-16V戦闘機66機、米が売却へ 「より攻撃的で挑発的」中国紙
トランプ政権は、台湾へのF-16V戦闘機の供給を承認し、米議会に正式に通告した。66機の最新型戦闘機を売却する方針に、自治権をめぐりこれまで台湾と対立してきた中国政府の反発は必至だ。
◆輸出にゴーサイン
売却の方針が公になったのは8月15日の夜。マイク・ポンペオ米国務長官が承認を示すメモに署名を行い、その直後に米国務省が議会に対して同内容を通知した。ニューヨーク・タイムズ紙(以下NYT)は、議会側にこれに反発する動きはないものと報じている。むしろ台湾への売却が遅滞しており破談になる可能性があるとして、これまで与野党両党の議員がトランプ政権を非難していた。台湾の自治権確保に関しては、党派を超えて強く支持する動きがある。
アメリカから台湾への戦闘機の売却は、1992年のF-16 A/B以来27年ぶり。F-16Vは旧型機に比べエンジンの推力が向上しているほか、航空力学的特性が改善されている。電子機器も進歩しており、とくにアクティブ電子走査アレイ(AESA)と呼ばれるレーダーの採用が注目される。最新鋭のAESAは、ジャミングに強い、敵側から位置を探知されにくい、機械式レーダーよりも物理的な故障が少ない、陸海空の目標を同時に捕捉できる、というメリットを有する。これらに加えF-16Vのレーダーはネットワーク対応兵器(NEW)の機能を備えるため、ある戦闘機が捕捉した目標を味方の別機などに委譲し、破壊任務を引き継がせることが可能だ(アジア・タイムズ紙)。
>次のページ 従来の輸出と一線画す