ロシア、ステルス無人戦闘機「オホートニク」の動画公開 20分の初飛行
◆実用化には課題多く
ロシアのドローン開発は大きな飛躍を遂げようとしているかに見えるが、欧米の軍事専門家たちはその成功に懐疑的な視線を送っている。ヴァイス・ニュース誌は昨年の核ミサイルの一件を例に挙げる。2018年にロシアのプーチン大統領は、「無制限」の射程距離を持つ核弾頭搭載ミサイルを発表した。しかしアメリカの分析により、そのテスト飛行はわずか22マイル(約35キロメートル)に終わったことが判明している。
米国防誌のナショナル・インタレストは、開発上の課題を指摘している。実用化まで数年単位の時間がかかるというのが同誌の見方だ。最大時速約1000キロで飛ぶ20トンの戦闘機となれば、航空力学や電気システムなどの観点から入念なテストが必要になる。さらに、十分な効果を発揮するには、小型かつ高精度の誘導ミサイルの開発も必須だ。ロシアはこうした武器開発の分野で遅れをとってきた。機体自体の製造はさほど難度が高いわけではないものの、実効力のあるドローンとするためには必要な要素が多い。同誌は通信やコントロールなどの技術開発に加え、過密状態となる戦地上空での遠隔操縦技術も求められると指摘している。
ドローンへの注力をアピールしたロシアだが、運用技術を含めた成熟には年単位の時間を要することになりそうだ。