中長期的な視点で考える、トランプ氏の「日米同盟破棄」発言
最近、トランプ大統領の発言をめぐって国内で波紋が広がっている。トランプ大統領は、日本が攻撃されたら米国には助ける義務がある一方、米国が攻撃されても日本にはその義務がないと規定する日米安全保障条約は不公平だと不満を感じ、同条約を破棄する考えを側近に伝えたという。これについて、日米両政府はそんなことはないと否定しているが、将来的な日本の安全保障を考える場合、きわめて重要な発言である。
◆もっと戦略的に、中長期的に考える重要性
すでに、世論ではさまざまな反応が出ている。「トランプ氏はただ軽く言ったに過ぎない」「頭のなかにあるのはビジネスで、日米貿易交渉を有利に進めたい狙いがあるからだ」「中国の太平洋進出が叫ばれるなか、日本の基地を日本の金で使用できることは米国にとっても意義は大きい」「日米同盟があるから米国は前方展開ができている」など、不透明性を戦略とするトランプ・アメリカのなかでは、どれが間違っているとは断定しづらい。
しかし、これらの見解に説得力があったとしても、今回のトランプ大統領の発言の真意は、もっと戦略的に、中長期的な視点で探る必要があるだろう。
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