米陸軍、レーザー兵器と極超音速ミサイルを装備へ ロシア・中国に対抗

U.S. Army photo by C. Todd Lopez / Wikimedia Commons

◆レーザー兵器も開発進む
 極超音速兵器に加え、レーザー兵器を2022年までに配備する計画も進む。出力50キロワット級レーザーのストライカー装甲車への装備を目指すものだ(UPI通信)。

 レーザー兵器により、敵のドローン、ミサイルおよび大小の砲弾の撃墜が期待される。車載テストを2021年に完了し、翌年に4台が部隊に引き渡される予定だ。重トラックに100キロワットレーザーを搭載するプロジェクトも進行中だが、こちらは要求される出力の実現が課題となっている(ビジネスインサイダー)。

◆中露を念頭に採用拡大
 極超音速兵器の製造およびテストは米陸軍が行うが、米空軍および米海軍でも採用される見込みだ。2024年までに12億ドル(約1300億円)を投じる兵器プロトタイプ開発計画の一部だ(UPI通信)。

 こうした大規模な計画の背景には、ロシアおよび中国の脅威がある。両国は弾道ミサイル防衛では対処が及ばない超音速兵器の開発を急速に進めている。ビジネスインサイダー誌によると米陸軍は、「ドローン兵器や独自の極超音速兵器を使用する可能性がある、ロシアや中国などの敵国との戦闘に備えるため」に今後4年に渡り極超音速兵器および車載レーザー兵器の開発を進めてゆくと述べている。

 ロシアは極超音速滑空翼体「アバンガルド」の配備を予告しており、開発競争はますます過熱しそうだ。

Text by 青葉やまと