比大統領「中国が手を出すなら自爆作戦」 南シナ海めぐる最新動向
◆ドゥテルテ大統領、領土防衛のための「自爆作戦」に言及
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、フィリピンが占有する島がもし仮に中国の脅威にさらされた場合、非常に可能性の高い選択肢として、「自爆作戦の準備を行う」よう軍に命令することもありうると明言している。
ドゥテルテ大統領は、4月4日夜に行った演説の中で、自らトップをつとめる現フィリピン政権と中国との緊密な関係について言及した。しかし同時に、現在領有権が争われているこの海域でフィリピンが占有する島々が一つでも脅かされるなら、「事情はまた違ってくるだろう」とも言う。
ここまでドゥテルテ大統領は、中国からのインフラ資金、貿易と投資を引き出すため、領土問題に関しては中国政府と対決しない政策をとってきた。大統領はまた、軍事上の同盟国であるアメリカの安全保障政策を激しく批判する一方で、中国とロシアに対しては賛辞を惜しまない姿勢をとってきた。
フィリピン軍は、パグアサ島の近海に位置する「サンディケイ」と呼ばれる紛争海域で、これまで中国船舶の監視を行ってきた。
「私は中国に対し、パグアサ島はフィリピンのものだというメッセージを伝えようとしています。フィリピンの友人として、中国には、パグアサ島にもそれ以外の島々にもいっさい触れないでもらいたいですね。もしそれを守らないなら、事情はまた違ってくるでしょう。しかしこれは何も、警告ということではありません。あくまで中国はフィリピンの友人であり、その友人に対する私からの単純なアドバイスです」とドゥテルテ大統領は語る。
大統領は続けて、次のようにも述べている。「私としては、丁重にお願いをするつもりもありません。パグアサ島には我が国の兵士がいるので、そこはあきらめろと言っているだけです。しかし、もしも中国がそこの島に手を出すなら、話はまた別です。もし仮にそうなったら、私は自国の兵士らに対して『自爆作戦の準備をせよ』と命じるでしょう」
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