F3開発競争に米ノースロップも参入か 日本で「F-22 vs YF-23の戦い」再び?

NASA/DFRC / Wikimedia Commons

◆国産双発エンジンを積んだ改修型YF-23
 ロイターの報道によれば、ノースロップはまだ具体的な提案をしていないが、米技術誌ポピュラー・メカニクスは、双発エンジンとなるのはほぼ間違いないと予想。日本政府は、IHIが開発中の国産双発エンジンの搭載を希望しているとも言われている。ポピュラー・メカニクス誌は、航続距離の長い双発エンジンにより、「日本国内の基地から中国・北朝鮮の国境地帯を巡航速度マッハ1以上でパトロールすることが可能になる」としている。

 ノースロップは、伝統的に機体全体が翼の形をした全翼機の開発に熱心だ。2年前には、尾翼のない斬新なデザインの第6世代戦闘機のイメージ映像を発表している。ノースロップ版F-3もそうした未来的な機体になるかもしれない。ただ、全翼機はドッグファイトに弱いというマイナス評価もある。また、今からF-3のために全く新しいデザインを起こす時間と予算はないと、同誌は分析する。

 そのため、同誌は、近代化したエレクトロニクスと日本製エンジンを採用したYF-23の近代改修型をノースロップ案の「一つの可能性」として挙げる。そうなれば、まさに「F-22 vs YF-23再び」といった様相となる。

                                                                                                                 

◆豪は開発競争の盛り上がりを歓迎
 日本の仮想敵国は、今の情勢をみれば中国であることは間違いない。中国は最新鋭第5世代戦闘機の自国開発を急ピッチで進めているが、日本の主力はいまだ基本設計が1970年代のF-15Jだ。新たに輸入を進めているF-35の配備が今年から始まっているが、供給の遅れが報告されている。さらにF-15とともに日本の防空の任につくF-2の後継機たるF-3は、まだ仕様すら決まっていない状況だ。このままでは数はおろか性能面でも中国に太刀打ちてきなくなるという懸念が強い。

 だからこそ、数の劣勢を性能でカバーするためにも、F-3の技術的要求水準は高い。特に戦闘を生き延びる「サバイバビリティ」に直結する高いステルス性が求められていると、ポピュラー・メカニクス誌は書く。戦闘機の開発でこそ最近はロッキードの後塵を拝するノースロップだが、無人機のRQ-4グローバルホークや米軍の次期戦略爆撃機B-21レイダーの開発で高いステルス技術を蓄積しているだけに、同社にもチャンスはあると見られているようだ。

 米ボーイングと英BAEシステムズもF-3開発に参入する可能性があると報じられている。日本を舞台に第5世代戦闘機の開発競争がヒートアップすれば、西側諸国全体の防衛産業が活性化するという見方もある。豪防衛専門ニュースサイト『ディフェンス・コネクト』は、オーストラリアの防衛産業にもF-3をきっかけに第5世代戦闘機への部品供給の道が開かれると、開発レースの盛り上がりを歓迎している。

Text by 内村 浩介