金正恩暗殺計画も漏洩か 北朝鮮ハッカーが米韓軍事計画を盗む
韓国のある議員が、北朝鮮のハッカーにより米韓が有事に備え作成した北朝鮮首脳部「斬首」計画を含む、軍事機密文書が盗まれたと発表した。
一方、アメリカは今月10日夜に韓国の戦闘機との合同演習として、米国領グアムの空軍基地から韓国上空に向け、超音速爆撃機B-1Bを展開。再び威嚇飛行を実施し、北朝鮮の攻撃をけん制した。グアムに配備されている米軍の強力爆撃機が、今回のような飛行演習を繰り返していることに対し、北朝鮮は強い怒りを示しており、グアム周辺の海上にミサイルを撃ち込むと威嚇するなど、戦争の準備は整っていると主張している。
韓国にとっては、対立関係にある北朝鮮との関係が最悪となっている今、議員の言う北朝鮮によるハッキング攻撃が事実だと確認されれば、大きな打撃となり得る。北朝鮮とドナルド・トランプ米大統領が軍事攻撃も示唆しながら威嚇の応酬を繰り広げる中、韓国政府は北の攻撃的な態度に対し徐々に強固な態度を示すようになっている。最高機密の軍事計画が北朝鮮の手に渡ったとなれば、韓国とその同盟国アメリカは、朝鮮半島で再び戦争が勃発した場合の対応計画を大々的に見直す必要がある。
トランプ大統領はアメリカ軍による攻撃を示唆し、北朝鮮首脳部を破壊すると脅すなど北朝鮮に対し異常なほど攻撃的な態度を取っている。そのため韓国国民の間には、朝鮮戦争以降最も戦争の危機が迫っていると危惧する声も上がっている。朝鮮戦争は1953年に一応休戦となったものの、厳密に言えば現在も朝鮮半島は戦争状態にある。
韓国の与党民主党幹事で国防委員会のメンバーでもある李哲熙(イ・チョルヒ)氏は、国防関係筋から聞いた話として、北朝鮮のハッカーにより昨年、最高機密である米韓軍事計画が盗まれたと述べた。盗まれた情報の中には、有事の場合、あるいは状況が緊迫した場合を想定した北朝鮮首脳部斬首計画を盛り込んだ、作戦計画5015の一部も含まれているという。
韓国国防省は、調査の結果昨年9月に国防統合データセンターがハッキングされた事件に北朝鮮が関与している可能性があると5月に発表した。しかしメディアが憶測する斬首計画の漏洩は認めなかった。国防省職員は11日にコメントを求められたが、回答を拒否している。
李氏は情報元を明言していなかったものの、北朝鮮により盗まれたとされる軍事計画の中には、北朝鮮首脳部の動向追跡、潜伏先の封鎖、空爆実施に関する作戦や、標的の身柄を確保し抹殺するという襲撃後の活動計画も含まれており、その標的の1人が金正恩北朝鮮委員長であることは明らかだと述べている。
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