日本の“あったか~い”に感動した米男性、アメリカでホット缶コーヒー普及に挑戦
徐々に寒くなってくると恋しくなってくるのが、ホットの缶コーヒー。近くのコンビニや自動販売機に足を運べば、手軽に温かい缶コーヒーを購入できるのは魅力的である。ホット缶コーヒーは日本に定着しているが、意外なことに世界から見たらとてもめずらしいものなのだ。海外にも缶コーヒーは存在する。しかし例えばアメリカだと、「缶コーヒー=アイス・コーヒー」で「温かい缶コーヒー」の認知度はまだまだ低いのが現状だ。そんななか、日本の「ホット缶コーヒー文化」をアメリカで普及しようと奮闘している人物がいる。
◆アメリカでホットコーヒーを普及させようとする動き
その人物は、ダニー・グロスフィールド氏。彼は「ホット・フリッジ」という、60℃に飲み物を保ってくれる小さめの保温庫と一緒に「ホット・ショット」という商品名の缶コーヒーを開発したのだ。ABCニュースによると、彼のアイデアは、日本のホット缶コーヒーがルーツなのだという。
「コーヒーを一杯飲もうと思い、朝6時の東京を歩いていたらいくつかのコンビニは見つけることはできたのですが、コーヒー屋さんはひとつも開いていませんでした。仕方なくアイス・コーヒーを買おうと思い冷蔵庫の中に手を伸ばしてみたら、缶と中身のコーヒーが温かったのに衝撃を受けました」、と同氏はABCニュースに語っている。
◆1月に販売予定
この商品は来年1月に販売予定だ。ニュースサイト『ビバレッジ・デイリー』によると、グロスフィールド氏はアメリカ全土で試飲調査を行い、アメリカABCのテレビ番組「シャーク・タンク」(日本の「マネーの虎」のアメリカ版)で、追加資金を集めるのにチャレンジした。この番組のおかげで1,200通ものビジネスに繋がるメールを受け取れたそうだ。
ニュースサイト『HEAVY』とビバレッジ・デイリーでは、彼のチームは立ち上げに必要な資金を全額集めることができ、来年1月には販売予定だと報じている。
◆この商品の購買層とは?
日本と同じ商品をそのまま作ってポンと販売しても、アメリカで成功するのは難しいであろう。好まれる味も違うが、そもそもアメリカにはホット自販機がないのだ。お店にも保温器を置いている場所はほとんどないので、商品を置かせてもらえないのは容易に想像できる。だからこそアメリカ人が好む味のコーヒーと一緒に、保温庫である「ホット・フリッジ」を試行錯誤して開発したのだ。
ソーシャルニュースサイト『FWx』によると、グロスフィールド氏は主に大学生を購買層のメインターゲットとして狙っている。フレーバーはキャラメル、エスプレッソ、バニラ・フラッペ、ホット・チョコレートの4種類を用意しているのだ。
ロサンゼルス・タイムズ紙によると、グロスフィールド氏はゆくゆくはホットのお茶やサイダーの開発も視野に入れているとのことだ。
ホット缶コーヒーがアメリカのマーケットで大きなヒットになるかは誰も分からない。しかしアメリカは日本以上のコーヒー消費国でもあるので、チャンスは大いにある。今のところ日本のように街中の自動販売機やコンビニといったところから普及することはないが、氏の開発したコーヒーと「ホット・フリッジ」が火付け役になる可能性もないとは言えないだろう。