対米配慮? 朴大統領、日中韓首脳会談を「希望」 韓国紙も孤立回避を主張

 韓国の朴槿恵大統領は13日、ミャンマーのネピドーで開かれた東南アジア諸国連合と日中韓の首脳会議(ASEANプラス3)で、日中韓首脳会談の開催を提案した。朴大統領は、日中韓外相会談が開かれ、これをもとに首脳会談も開かれることを「希望する」と述べた。

◆日中韓首脳の意見も一致
 日中韓首脳会談に関しては、安倍晋三首相も、同じく13日に「早期に日中韓3ヶ国の外相会談を開催し、首脳会談につなげていきたい」と述べた(読売、朝日)。

 中国の習近平主席も、10日に行われた中韓首脳会談において、3ヶ国外相会談の年内開催の必要性を表明している(中央日報)。

 従軍慰安婦問題などの歴史問題が解決しない限り、日本の首相との会談を頑なに拒否してきた朴大統領だが、突然に日中韓首脳会談を希望した背景には何があるのだろうか。

◆日中首脳会議が契機に
 朴大統領の「サプライズ」提案は、10日に開催された日中首脳会談が契機となったようだ。また、北朝鮮が拘束していたアメリカ人2人が開放されたという8日の発表も無関係ではない。地政学的要素が急速に変化する中、韓国が外交的に孤立するのではという懸念を払拭する狙いがあった、と韓国の英字新聞『Korea Times』は指摘している。

 韓国は、同盟国であるアメリカの視線も気にしているようである。朝鮮日報によると、「中韓両国が連携し、対話を望む日本を仲間外れにしている」という日本側の論理がアメリカで受け入れられている。朴大統領の日中韓首脳会談の提案により、「韓国の対中国傾斜論」を払拭する効果も期待されている。

 10日に開催された日中首脳会談の後、日韓首脳会談の実現を期待する向きもあった。しかし、日韓首脳会談は実質的な成果が望めずリスクが大きい。それで、朴大統領は問題が少ない3ヶ国会談を提案したのでは、と『Korea Times』は指摘している。

◆日韓首脳会談への道のりは遠い
 日中韓首脳会談に合わせ、日韓首脳会談の開催も期待されている。

 韓国政府は日韓首脳会談に条件を付けたことはない、とする韓国外務省の発言が報道されているが(産経)、慰安婦など日本統治時代の問題は未だに障害となっている様である。

 中国の英字紙『Global Times』は、日韓首脳会談実現のためには、慰安婦問題などで日本側の努力が必要だとの韓国側の意見を報道している。

 日韓関係の早期改善が見込まれない中、日韓首脳会談への道のりも遠いようである。

Text by NewSphere 編集部