イスラエル、連作アニメで日本人に観光アピール 「続きが気になる…」と好評価も

 イスラエル大使館は今月、意外なプロモーションを始めた。同大使館のオフィシャルYouTubeチャンネルでの日本語アニメーションによる観光案内だ。

 『いいね!イスラエル~咲と典子の姉妹旅行~』とタイトルがつけられた物語は、全7話。日本のアニメ広告製作会社マンガニメーションが製作した。

◆イスラエルってどんな国?わかりやすく解説
 コメディータッチのアニメは、日本の視聴者にイスラエルはどんな国なのか紹介するのが目的だという。話は、咲と典子2人の姉妹が、休みを利用してイスラエルを観光するというものだ。第1話では、2人はイスラエルのベン・グリオン国際空港に到着。街の様子を楽しむ。妹の咲はイスラエルが砂漠しかない国だと思っていたが、近代的で治安もよく、ワインが美味しいことに感心する。しかし、姉の典子は夫と何か問題があるらしく、話は思わせぶりに次回へ続く。  

 物語の中では、マックスブレナーのチョコレートバーはイスラエルに本店があることや、同国は中東のシリコンバレーとも呼ばれていること、日本とは60年以上の国交があることなどが紹介されている。

 所々で、大使館のマスコット「シャロームちゃん(英文でもShalom-chanとちゃん付け)」が登場し、詳しい解説を加える。「シャローム」とは、現地の言葉で「こんにちは」を意味するそうだ。公式バイオグラフィーによると、シャロームちゃんは、イスラエルの親善大使として、世界平和のために一生懸命働いているらしい。

◆アニメ広報に対する賛否両論
 シャロームちゃんは、イスラエルの人口など基本的な情報から、イスラエル人は日本に関心が高いことなどを解説している。

 イスラエル中央統計局によると、2014年現在までに1万人弱の日本人がイスラエルを訪れた。

 ツイッター上では日本人視聴者の様々な反応がみられた、とウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)は報じている。『「いいね!イスラエル」というイスラエル大使館の観光業宣伝アニメを見ながらキレそうになってた 』と否定的なものや、「イスラエル大使館の広報アニメ、意外と面白くて続きが気になる」と興味を示すツイートが取り上げられた。

 また、地元エルサレム・ポスト紙の同記事にもコメントが寄せられている。

・いいぞ。ヨーロッパ人を呼び込むって考えは忘れようよ。日本人旅行者は、裕福でまじめだ。イスラエルを好きになってくれると思う。
・安息日に嘆きの壁を写真に撮られないように頑張ってね。(ユダヤ教の安息日である金曜の日没から土曜の日没までは写真撮影禁止)
・いい試みだ。だけど、ネタニヤフ首相の方針は、イスラエルの観光産業を見放している。テルアビブの寿司がどんなに美味しかろうと関係ないさ。

◆日本との外交に注力
 イスラエルと日本の関係は急速に花開こうとしている、と地元インターネットテレビ局『イスラエル・ナショナル・ニュース』は報じている。その証拠に、先週エルサレムで開催された「日本文化週間」では、日本の山口壮外務副大臣がイベントに出席し、両国を「親しい隣人」同士だと述べたという。また、日本とイスラエルは7月、両国間では画期的な「日本国経済産業省とイスラエル国経済省との間の協力覚書(MOC)」を締結している。

 同メディアは、イスラエルが、世界第3位のGDPを有する“日が昇る国”との確実な関係強化を模索している、アメリカとの関係は厳しい状況を迎えている、と報じた。これについては、コメントも寄せられている。

・オバマ大統領は、東へ外交の舵を切った。イスラエルもそうなるだろうね。

Text by NewSphere 編集部