猫カフェ、アメリカに上陸 動物愛護団体と協力し、里親探しもサポート
ロサンゼルスでは、10月2日に4日間限定だが、初の猫カフェがオープンした。25日にはカリフォルニア州のオークランドでアメリカ初の本格的な猫カフェがオープンする予定だ。そしてニューヨーク初の猫カフェは来春のオープンを目指している。それらのどれもが、猫と触れ合う場としてだけでなく、猫の里親探しの場としての役割も担っているということだ。
◆発祥の地は台湾、人気は日本で
ニューヨーク初の猫カフェを伝える地元の無料紙amニューヨークによれば、最初の猫カフェは1988年に台湾で始まったという。その後、アパート住まいでペットを飼えない人が多い日本で人気が高まった。ヨーロッパでもすでにいくつかオープンしているとのことだ。
◆自宅で猫を飼えない人の癒しの場に
アメリカでも、アパートがペット不可だったりルームメイトが動物アレルギーだったりで、自宅で猫を飼えない人たちが、猫への愛を満たしに猫カフェに訪れている。
10月2日から4日間限定で開かれた、ロサンゼルス初の猫カフェ「キャットフェ」の様子を伝えるロサンゼルス・タイムズは、来訪者の声を次のように伝えている。
「自分みたいに、ペットを家で飼えない人にとっては……猫カフェは、完璧な解決策だよ。それか、引っ越しだね」
また、ルームメイトの事情で猫が飼えない女性は、「キャットフェ」は、「猫から隔離されている」状態となんとかうまくやっていくために良い機会だと言う。
◆里親探しの場所としても役割も
上記のロサンゼルス初の「キャットフェ」、期間限定ではなく本格的な経常営業ではアメリカ初の「キャット・タウン・カフェ」、そして来春にオープンを目指すニューヨーク初の経常営業の「リトル・ライオン」、すべて、猫好きが猫と触れ合える場所としてだけでなく、動物愛護団体や保護施設と協力したり、里親を探すための施設を併設させたりして、猫たちの里親を探す場所としての役割も果たす。
本格的な営業を目指す「キャットフェ」の共同設立者の1人、カルロス・ウォン氏は、できるだけ多くの猫に愛すべき家を見つけたいとし、「猫とコーヒーというだけじゃない。動物への意識を全体に広げるということなんだ」とロサンゼルス・タイムズに語っている。
ニューヨークに「リトル・ライオン」をオープンさせようと奮闘しているエリン・マクシェインも「ニューヨークにいる、家庭を必要としている数多くの猫に対しての人々の意識を高め、そのうちの数匹でも引き取ってもらえるようにしたい」と、アイルランド系移民の情報サイト、アイリッシュ・セントラルに述べた。
また、「キャットフェ」は営業が本格的になれば、ロサンゼルスの介護施設で高齢者のための無料のアニマル・セラピーのイベントを開きたいとも考えている。
◆資金調達はクラウドファンディングで
これら、3つの猫カフェ。資金調達は、最近広がりを見せているクラウドファンディングで行われている。
期間限定でオープンして認知度を広めながら、本格的なオープンを目指したり、クラウドファンディングで広く一般の人たちから資金を調達することで、新しい事業を着実なものにしようとしている。
また、一般から集めた資金で、猫の里親を探したり、アニマル・セラピーを提供したりするなど、社会にも貢献する活動を目指している。社会と交わり、社会に還元する、新しいビジネス・モデルによってアメリカの猫カフェはうまれている。