2022年カタールW杯、消滅か? 買収疑惑を英紙報道 日米韓などで再投票の可能性

 イギリスのサンデー・タイムズ紙が、2022年ワールドカップ大会招致のため、カタールの元国際サッカー連盟(FIFA)理事が、多額の賄賂で票を集めていたと報道した。カタールのW杯組織委員会は、報道の内容を否定しているが、不正が認定されれば、再投票となる可能性も出て来た。

【内部告発だった】
 今回の報道で疑惑の人となったのは、カタールのモハメッド・ビン・ハマム氏。元アジアサッカー連盟会長でもあり、2012年に汚職で永久追放となるまで、16年間FIFAの理事を務めた人物だ。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、大量の「メール、口座、その他の文書」の電子データベースを、サンデー・タイムズ紙が、内部告発者から入手したと報道。その一部の文書によれば、開催地を決定する2010年の投票の準備期間、およびその後に、ハマム氏が500万ドル(約5.1億円)を集票目的で関係者に渡したとされている。

 ガーディアン紙によれば、元弁護士のマイケル・ガルシア氏率いるFIFAの倫理調査委員会が、現在2018年と2022年大会の選定過程を調査中であり、調査結果は今年後半に報告されるという。

 FIFAの副理事であるイギリスのジム・ボイス氏は、同委員会が不正による投票のやり直しを勧告する場合は、「全く問題なし」で受け入れるとコメントした。

【イギリスも不満】
 この衝撃的ニュースが報じられたイギリスでは、政界からFIFAへの批判が続出している。

 ガーディアン紙は、イギリスが2018年大会開催に立候補したものの、外部からは1票しか入らなかったという屈辱の過去に触れ、イギリス政府は以前から買収疑惑を問題としていたと報じた。

 スポーツ大臣のグラント氏は「メジャーなスポーツ大会は、もっと開かれた、公平で透明性ある方法で決められるべき」と発言。他の政治家からも「信頼回復のため、FIFAは早急に投票をやり直すべき」、「FIFAのルールは明らか。W杯は金で買われてはならない」と厳しいコメントが出ている。

【幻に終わるのか?】
 アルジャジーラによれば、カタールのW杯組織委員会は、「招致を成功させるため、つねに倫理と誠実さを最高のレベルに維持してきた」とサンデー・タイムズ紙にコメント。ハマム氏についても、「公式にも非公式にも関与はない」と疑惑を否定している。

 最近では、カタールはW杯の建設現場で、奴隷並みの基準で労働者を働かせている、と人権団体から批判が噴出。また、夏の暑さが厳しすぎることから、FIFA会長自らが、カタールは「間違いだった」と発言し、物議を醸しだした。

【日本開催の可能性も?】
 サーチナによると、日本サッカー協会の大仁邦彌会長が、3月に掲載されたAFPのインタビュー記事で、カタールでW杯が開催できない場合は、日本で開催する準備があると述べ、後に、「誤解があった」として謝罪する騒動があった。

 なお、2022年W杯には、カタール、アメリカ、韓国、オーストラリア、日本が立候補しており、2010年12月に行われた投票の結果により、カタールに決定している。

 今回の疑惑で、さらなる苦境に陥ったW杯カタール大会。もしかして、幻に終わってしまうのか?FIFAの今後の対応に注目したい。

※本文中「510億円」は「5.1億円」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。本文は訂正済みです。(6/3)

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Text by NewSphere 編集部