中国、日本に“異例”の謝意表明 自衛隊のマレーシア機捜索参加で
マレーシア航空370便は、8日未明に乗員乗客239人を乗せクアラルンプールから北京に向けて離陸したが、その約1時間後に消息を絶った。大規模な捜索が行われているが、いまだに手がかりは見つかっていない。これは、2009年に大西洋に墜落したエールフランスの航空機の残骸が最初に発見されるまでの36時間をはるかに上回る。
【様々な国が協力する捜査の現状】
ニュースサイト『スレート』のまとめによると、42艘の船と39機の飛行機が、海洋と東南アジアのジャングルを捜索している。日本、インド等12ヶ国が捜索に参加しており、マレーシア運輸相代理フセイン氏は、12日の記者会見で、「我々が行っているのは今までに例のないことだ」と発言した。
捜索活動は、タイランド湾、ベトナムとマレーシアの間の南シナ海、マラッカ海峡からアンダマン海にかけて広がっている。12日には、中国国家国防科技工業局が、中国の衛星が9日に「墜落したと思しき海域」を観測していたと発表した。それぞれ13×18m、14×19m、24×22mの3つの物体が、出発地クアラルンプールの北東、ベトナムの南方に当たる海上に浮遊している画像が公表されている。
問題の海域の座標は東経105.63度、北緯6.7度と発表された。これは旅客機が元々マレーシア東岸で管制とのコンタクトを消失した地点にあたり、マレーシアが捜索を進めている同国西側のマラッカ海峡とは離れている。
【自衛隊機の派遣と中国の反応】
日本は自衛隊機4機を捜索に派遣。小野寺防衛大臣は、防衛会議において「一刻も早い航空機による捜索のニーズがあるので自衛隊が持つ豊富な経験を生かして捜索に全力を挙げてほしい」と述べた。13日午後にはC-130輸送機が捜索を開始し、P3C哨戒機2機を含む残り3機も近く合流が予定されている。
マレーシア航空370便の乗客の約2/3は中国人だ。ロイターは、日中関係が悪化している状況で、この件に関して中国が間接的ながらも日本に対する異例の好意を表明したと報じている。
中国外務省の秦剛・報道局長は、定例記者会見で「このような事件の前では、国際社会、マレーシア、中国、または周辺の国々は共通の懸念を持っていると信じる」と述べ、「もし他の国々が、捜索に参加するために船を送ることが可能かつその意志があるなら、我々は歓迎し、感謝を表明する」と、謝意を表明した。
行方不明のマレーシア航空旅客機については、依然、真偽不明な情報が錯綜しており、捜索の行方は定かではない。
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