日本式スクーターがインドでブーム!? 女性の性的被害防止に貢献との評価も
女性への差別に基づく事件が問題化し、安全性が問われているインドで、日本式スクーターが評価されているようだ。昨今インドの路上で、かわいいピンクや白の日本式スクーターに乗った女性の姿が、多く見かけられるようになったとロイターが報じている。
【日本式スクーターが女性の自由な外出に貢献?】
日本式のスクーターは、足を揃えて乗ることができる。そのため、裾の長い民族衣装を着ることが多いインド人女性も一人で乗ることが可能だ。通学、通勤、子どもの送迎などに活用されているという。
ロイターは、「女性に優しいバイクたちは、インドにおける考え方や社会における変化を反映している」と報じた。夫や家族からの要求で、自由な外出がままならないことも多いインドの女性が、積極的に外へ出て行く手段を模索し、社会がそれを受け入れる方向へと変化しつつあるのではとみている。
さらに、性犯罪から身を守る手段という一面もある。2012年に首都デリーの無認可バスで起きた集団レイプ殺人事件は、世界中を揺るがせた。インドではその後も、女性の性的被害が度々報じられている。
【日系バイクメーカーにも、インド経済にも、追い風に】
また、経済の低迷に苦しむインドで、この種のスクーターの売上は上昇しているという。
ホンダやヤマハなど日系メーカーは、相次いで増産体制強化、新車発表を行い、スクーターブームに乗って不況を振り切る構えだ。雇用を生み出すことともなり、インドにとって嬉しい追い風となり得そうだ。
【今後も見守りたい、インドにおけるスクーターの貢献度】
性的差別問題も、経済も、スクーターの売上だけでただちに効果が現れるものでもないだろう。
ただ、日本式の製品が、インド人女性の安全に貢献し、社会進出を後押ししていることは、日印両国にとって喜ばしいニュースだ。インド人女性が、街歩きや公共交通機関で身の危険を感じずにすむ日まで、スクーターは彼女たちのかわいいナイトとして、インドの街を走り続けるのだろう。今後の行方を見守っていきたい。