米政府高官、なぜツイッター暴言で免職? つぶやいた内容とは

 米国家安全保障会議(NSC)でイランや北朝鮮の核不拡散問題などを担当していたジョフィ・ジョセフ氏(40)が、ツイッター上に匿名で米外交政策などを批判する書き込みをしていたことがわかった。

 ホワイトハウスや国務省が数週間前に調査を開始。ジョセフ氏を突き止め、先週解雇したという。

 同氏は匿名アカウントで、自身について「外交政策と国家安全保障で、だれもが思っているだけのことを悪びれずに発言する」と紹介。有名な政治家のほか、記者や同僚を中傷するツイートを2年以上にわたって繰り返し発信していたという。アカウントは現在削除されている。

 ジョセフ氏は23日、「信頼に背いたことを深く後悔している」と表明した。

 ホワイトハウスのカーニー報道官は、同氏はもう職務を離れたと述べたものの、詳しい説明は避けた。

 海外各紙は、ツイートの内容や元同僚らの反応について報じた。

【批判のターゲット】
 ニューヨーク・タイムズ紙は、一番のターゲットとなったのは、ヒラリー・クリントン前米国務長官だったと報じた。ジョセフ氏はクリントン氏について、「(中東問題で)政策目標も成果もない」と痛烈に批判していたという。

 一方ブログサイト「デイリービースト」は、一番のターゲットとして、ベン・ローズ大統領副補佐官を挙げた。ジョセフ氏は、米国とイスラエルがイランの核拡散プログラムを妨害するために開発したサイバー兵器「スタックスネット(Stuxnet)」について機密情報を流出したのはローズ氏だと指摘していた。

【元同僚らは「驚き」】
 補佐官や元同僚らは、勤勉で有名だったジョセフ氏の今回の一件について、驚きだと語っているという。

 またワシントン・ポスト紙によると、彼の匿名アカウントのフォロワー数は1600人に満たなかったものの、米政府内の職員間では話題になっていたという。

「(ジョセフ氏は)攻撃的なツイートだけでなく、国家安全保障の機密を扱うオフィスでの稚拙な判断を公開したために制裁を受けた」という当局者の匿名でのコメントをワシントン・ポスト紙は掲載した。

Text by NewSphere 編集部