中国、北朝鮮に圧力 本気か、ポーズか?
中国政府は24日、兵器製造に転用可能な品目の北朝鮮への輸出を禁止すると発表した。
中国商務省の236ページに及ぶ輸出禁止リストには、兵器製造に転用できる設備、薬品、大量破壊兵器を製造するのに使用される可能性のある技術などが含まれ、無人攻撃機、弾道ミサイルなどから、エボラウィルスなどの病原体など多岐にわたるようだ。
中国政府は発表の中で、同国が国連の決めた北朝鮮への制裁を実行している、と強調した。
北朝鮮は3月に、朝鮮労働党が核開発と経済発展を、国の最優先課題と公に宣言した。さらに8月には、延坪(ヨンビョン)の新しい核施設でプルトニウムの生産が再開されているらしいと報告されている。
【中国の対北朝鮮政策の変化か】
中国はこれまで、北朝鮮との貿易の包括的な情報を公表せず、北朝鮮の違法な貿易の抜け道となっていた、とロイターが報じている。また長年、同盟国として北朝鮮への制裁実行には反対してきた。
しかし、中国の要請にもかかわらず、北朝鮮は他国への挑発行動や核開発を控える様子がなく、2月には核実験を実行。中国は国連の制裁案賛成を示した。
ニューヨーク・タイムズ紙は、「中国は北朝鮮の行動に不満を募らせている」「今回のリスト発表は、それを示す明確な対応だ」との中国政府関係者のコメントを伝えている。
一方ロイターは、リストの発表は、中国の強硬姿勢を示すものではなく、政策方針に大きな変化はないと報じている。
専門家は、「北朝鮮の核やミサイル開発は、多くの一般的な市販品を使っており、これらは輸出されるべきではないが、リストには掲載されていない」と指摘している。
【朝鮮半島非核化へ進展は?】
輸出禁止リストは、中国の王毅外務大臣が、6ヶ国協議再開のための話し合いを持った直後に発表された。
北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)核交渉担当官は、核放棄という前提条件を要求しなければ、協議に応じるつもりだと述べた。これに対し、米国をはじめとする他の協議参加国は、まずは、北朝鮮がこれまで求められている義務を果たすべきだ、と主張した。
結局、北朝鮮はこれまでの主張を繰り返すばかりで、米国側も、もし北が核を放棄すれば協議再開に臨むという姿勢を崩さなかったようだ。
協議に参加した専門家は、北朝鮮の非核化という目標には遥か遠い、と悲観的な見方を示し、北朝鮮は決して核を手放すことはないだろうと述べている。
フィナンシャル・タイムズ紙によると、北朝鮮は既に核兵器を所有していると考えられており、専門家は、高濃縮ウラン生成のための遠心分離機を製作するために必要な材料と技術を獲得しているとみている。