世界の世論「これから世界をリードするのは、米国ではなく中国」
米国の調査団体ピュー・リサーチ・センターは18日、米国・中国について、世界各国からの意識調査結果(注1)を発表した。
同センターは、「中国の経済力は増大しつつあり、多くの人は最終的に、世界の支配的大国として米国に取って代わると思っている」と発表している。
好感度や自由尊重性などでは全体に米国の方が高いとされた。ただし各紙は、この調査が行われたのは、スノーデン氏が米当局のネット監視などを暴露する前だったことを強調している。
【真の超大国は中国?】
中国人の3分の2は、将来的に、または既に、支配的超大国としての地位の上で、中国が米国を追い越すと考えていると報じられた。
それに同意する米国人は47%で、2008年前回調査の36%から上昇した。逆に米国がリードを維持し続けると考える米国人も47%で、前回の54%より減少した。
39ヶ国全体では、過半数にあたる23ヶ国において、最終的に中国が上回るとの見方が多数であった。
経済に関しては、米国人も、米国優勢派39%・中国優勢派44%で、既に逆転している。CNNは、米国家情報会議が昨年、中国経済は「2030年より数年前に」米国を追い抜くと予言したことを報じている。
【好感度は米国が勝る】
好感度では、米国に好意的な回答者は全体の63%、中国は50%であった。
28ヶ国は米国に好意的であり、ガーナ、セネガル、ケニア、イスラエル、フィリピンでは80%以上が好意的であった。米国は中東では不人気で、エジプトで81%、トルコで70%が否定的であった。
中国には中立的とする国が多いが、概ねアジア、アフリカ、南米で人気がある。ただし日本では極端に嫌われており、5%しか好意的でない。また、日本人は中国が米国を追い越す可能性にも否定的であったと報じられている。
米中両国は、前回調査よりも相互不信を強めている。中国を好意的に見る米国人は37%、米国を好意的に見る中国人は40%で、共に前回調査より減少している。特に米中関係を「協調的」と評価する中国人は3分の1以下(前回68%)で、23%は「敵対的」としたという。
その他、中国は科学技術面では高評価も得ているが、軍事、人権、文化輸出面で不人気と報じられた。
また米国については、無人飛行機ドローンによる過激派追跡作戦が、ほとんどの国から避難されている。
さらに米中両国に対し、回答者の国の利害に配慮を欠くとする声が多かった。
※注1 調査は今年3~4月に実施され、39ヶ国約4万人が回答。なお国により面接か電話(固定ないし携帯)か、聴取方法が異なり、人口分布によっては都市住民・農村住民の偏りがあると注記されている。