マイクロソフトも監視か?スノーデン氏が暴露
ガーディアン紙は11日、現在ロシア空港に滞在中の元CIA職員エドワード・スノーデン氏が明らかにした、米国のネット監視活動について報じた。内容は、米通信情報機関(NSA)がインターネット上の情報傍受のため、米マイクロソフトとどのような協力関係にあったかだ。
海外各紙は、同氏の与えた影響と、各国政府の情報管理について報じている。
【米国の苦悩】
米国は、NSAがどのように中国や他の国から秘密裏に情報を集めたのか暴露されることを恐れていると、ワシントン・ポスト紙が報じている。暴露されることで、諜報活動が困難になることが予想されるからだ。
スノーデン氏は、NSAの具体的な手法を公にするつもりはないと発言しているようだが、ガーディアン紙は、公開される可能性はあると報じている。
同紙によると、米マイクロソフトは政府と緊密な協力関係のもと、OutlookやHotmail、Skypeなどの情報の傍受を認めたという。
対して同社は、11日にウェブサイトで声明を発表し、利用者の個人情報を提供するのは、政府からの合法的な照会に応じる場合のみだと改めて強調した。すべての同社サービスにおいて、政府に直接的な情報へのアクセスを認めたわけではなく、法的な要求に限って情報を提供したとしている。
なおスノーデン氏が暴露した資料では、企業の持つ情報を直接取得できるPRISMというシステムに、マイクロソフトの名前が明記されていた。
【南米は言論パラダイス?】
ロシアの空港で亡命先を探すスノーデン氏に、南米諸国が受け入れを表明している。
これらの国々は、同氏を言論の自由を守る告発者として支持しているが、彼を擁護しながら、同時に自国のジャーナリストや政敵の弾圧をもしている、とウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じている。
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、国営放送で、政敵の私的な会話記録を故意に編集したものを報道し、クーデターを図ったなどと批判した。
エクアドルのラファエル・コレア大統領は、大統領の親族の不正について本を書いたジャーナリストを相手に、多額の賠償を求める裁判を起こしている。
ボリビアでは、麻薬取引に政府が関与したとみられる情報を告発した議員が、政府の報復を恐れてブラジル大使館に逃げ込んだ。エボ・モラレス同国大統領は、国内外の法律に違反しているとして、同議員の出国を認めていない。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「言論の自由を謳うこれらの国が、一方で国内のジャーナリストを力ずくで押さえ込み、名誉毀損で訴え、報道機関を閉鎖し、あるいは、新しい通信法で言論を規制するのは、皮肉な真実だ」との専門家の発言を取り上げている。