北朝鮮の態度が軟化?
北朝鮮は18日、下記のような声明を発表した。
「米国と南の傀儡が我が軍と人民の鉄槌を避けるわずかな願望を持ち、真に対話と交渉を願うなら」、「不当な理由ででっちあげられた」国連制裁決議や、「核戦争の練習」たる米韓合同軍事演習をやめるべきであり、「朝鮮半島の非核化は、米国によって持ちこまれた核戦争ツールの除去によってこそ開始されうる」と。
さらに、北朝鮮が3月に韓国に大規模なサイバー攻撃を実施したとの見解や、2010年に韓国艦艇を(潜水艇で)撃沈したとの国際調査結果を、覆すよう要求した。
韓国外務省は直ちに、「北朝鮮の要求は全く理解できない。馬鹿げている」と一蹴した。
とはいえニューヨーク・タイムズ紙は、過去数週間と比べ、北朝鮮の声明がトーンダウンしていることを指摘している。
専門家によれば、故・金日成主席の生誕祭の期間中、ケリー米国防長官が日中韓歴訪中でもあったのに、北朝鮮が挑発を行わなかったことは、注目に値するという。
北朝鮮はすでに、「米本土を核攻撃する」といった、レトリックの限界に達してしまい、これ以上はその脅しを実行するしかなくなったのだろうとみている。
4月末の米韓合同軍事演習終了(北朝鮮体制はそれを勝利と宣伝する)を待って、対話の誘いに乗るだろうとの見方もある。
またウォール・ストリート・ジャーナル紙は、半島の不安定を嫌う中国が北朝鮮に圧力をかけつつあり、北朝鮮は長くは抵抗できないだろうとの専門家の見方も伝えた。
ただし韓国国内には、北朝鮮の動きは、米韓の対北穏健派を支援する意図ではないかとの見方もあるという。実際韓国政府は、慈善団体が北朝鮮に結核薬を送るのを認め、一方的に閉鎖された開城工業団地の再開交渉も模索している。
総じて、今後を予測するには、北朝鮮の金正恩第一書記の動向はあまりにも不明すぎるという論調だ。