海外各紙が指摘する、オバマ政権2期目の重要課題とは?
オバマ大統領は20日、ホワイトハウスでロバーツ連邦最高裁長官立ち会いのもと、2期目の就任宣誓を行った。宣誓式にはミシェル夫人と2人の娘が立ち会い、1分ほどで終了した。21日にはワシントンで就任式が行われる。初のアフリカ系米大統領誕生で約1万6000人が集まった4年前とは違い、半分程度の規模となる見込み。
バイデン副大統領も20日に公邸で就任を宣誓し、その後、オバマ大統領とともにアーリントン国立墓地を訪れて献花した。
海外各紙は、ねじれ状態が続く厳しい政治環境の中、課題は山積みで、引き続き、民主・共和両党の攻防は避けられないと懸念している。
【大統領2期目のジンクス】
今年初めに「財政の崖」を何とか乗り切ったことで、議会において民主党は共和党よりも優勢に立っているようにみえる。しかし、「歴史的に2期目は予定どおりにはいかない」とウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。過去には、ウィルソン元大統領は2期目に脳梗塞を発症、クリントン元大統領は不倫事件、ブッシュ元大統領はイラク戦争と金融危機を引き起こすなど、過去2期続いた政権はトラブルに見舞われていると指摘した。
【オバマ大統領2期目の課題】
2期目のオバマ政権は、歳出削減、銃規制の強化、移民政策の見直しなど、内政課題が山積している。また、アルジェリアの人質事件で喫緊の課題となったテロ組織対策や、イランの核開発問題などの外交課題も多く抱える。フィナンシャル・タイムズ紙はこのほか、国防長官にチャック・へーゲル元上院議員を指名したことや、オバマ氏のヘルスケア法に対して抵抗があることを指摘。 ニューヨーク・タイムズ紙は、気候変動、有権者ID法の規制緩和も課題として挙げた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、中国が東シナ海で軍事行動を起こし、米国の重要な同盟国である日本と対立していることも外交課題の1つとして取り上げた。
【オバマ大統領の秘策?】
ニューヨーク・タイムズ紙によると、2期目を迎え、ミシェル・オバマ大統領夫人とそのアドバイザーたちは、彼女の人気をどう活用するか話し合っているという。夫人は、大統領の草の根市民団体「オーガナイジング・フォー・アクション」をアナウンスビデオで紹介したという。しかし同紙は、夫人の前髪を強調したヘアスタイルほど注目を集めなかったようだと皮肉った。