グーグル会長の訪朝終了 北朝鮮のねらいとは
海外各紙は、グーグル社会長が北朝鮮を訪問したことに、どのような意義があるのかについて報じている。
フィナンシャル・タイムズ紙は、シュミット氏が金日成総合大学でGoogleを利用する学生らを視察したことを取り上げるとともに、今回の訪朝が北朝鮮の宣伝に利用されたとする識者の声を紹介している。ニューヨーク・タイムズ紙は、北朝鮮の狙いは不明確であるとしながらも、貧しい国民に国が前進していることを示す必要があったとするアナリストの意見を掲載している。また、同紙は、金正恩氏の姿勢について大きく紙面を割いている。それによると、金正恩氏は、10代の時にスイスに留学し、西欧の文化とテクノロジーに触れており、テクノロジーに理解を示す現代主義者としてのイメージを国民に対して確立したいのだという。シュミット氏の訪朝は、ロケット打ち上げ成功後間もないこともあり、この点に寄与していると同紙は見ている。また、同紙は、外国に対して孤立していないことを印象づける狙いが北朝鮮にあったとも分析している。
このような見方がされる中、シュミット氏らによる訪朝には毀誉褒貶がある。ニューヨーク・タイムズ紙は、米朝関係が冷え込んだ時の「価値ある裏ルート外交」という評価とともに、「(北朝鮮の)役に立つ馬鹿」(共和党のマケイン上院議員)という辛辣な評価も紹介している。
なおウォール・ストリート・ジャーナル紙は、北朝鮮が新たな関係構築を望んでいるとするリチャードソン氏の談話を比較的大きく取り上げた。その談話によると、北朝鮮は韓国の朴大統領の対話と経済協力に関する発言を前向きに評価しているようだ。また、リチャードソン氏は、日本、中国、韓国のトップおよび米国国務長官が交代することにより、これまでの北朝鮮との関係をリセットできる機会が訪れたとしている。