浮かび上がるグーグルのビジネス手法とは?
3日、米連邦取引委員会(FTC)は、グーグルによる独占禁止法違反の疑いを払拭した。グーグルは、同社の系列サービスに有利になるように、他社サービスの検索結果よりも先に表示されるように操作しているとの嫌疑をかけられていたが、今回のFTCの決定はそれを否定する格好となった。FTCのレイボビッツ委員長は、グーグルの検索結果の操作が消費者の便宜のためであり、独禁法に違反する証拠は見つからなかったとしている。
海外各紙は、この決定を受けて、グーグルが精力的に取り組んでいるビジネス・ターゲットとその手法について詳説している。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、今回グーグルはそのビジネス手法をいくつか変更することに合意したという。具体的には、(1)他社サイトのコンテンツ(特にレストランや消費者製品などのレビューなど)をグーグルの検索結果で利用しないこと、(2)小規模の企業が他社検索サービスに広告することを妨げる契約を行わないこと、(3)グーグルが買収した携帯電話製造会社モトローラの特許使用制限を緩和することである。
一方、フィナンシャル・タイムズ紙は、グーグルが独禁法問題をヨーロッパでも抱えていることを取り上げ、より広範囲にわたってそのビジネス手法を変更する必要が出てくるであろうと予測している。同紙によると、これは、欧州委員会の競争担当委員が大きな権限をもつためだという。
こうした現状をふまえ、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、グーグルのソーシャル・ネットワーク・サービスであるGoogle+が、社内外で議論の的となっていると報じている。同紙によると、グーグルは、Facebook に対抗すべく、Google+への加入者を「なりふり構わず」(グーグル従業員による)増やそうとしているという。具体的には、グーグルの他のサービス(たとえば、レストランやアプリに関するレビューの投稿など)を利用するには、Google+への加入が強制される。同紙によると、グーグルが求めているものは、Facebookが獲得している実名のユーザーとその交友関係だという。友人がGoogle+で推薦したものは買われやすくなると見ているのだ。事実、Google+の情報が含まれているウェブページのクリック率は、2%から15%まで上昇するという報告(Resolution Media調べ)もあるという。現在、Google+の利用者数は2,870万人(月間平均利用時間は3分)であり、一方のFacebookは、1億4,900万人(同400分)であるという(comScore調べ)。