今度こそ、アメリカの銃規制対策は進展するか?
オバマ大統領は19日の記者会見で、コネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件を受け、銃規制を政権2期目の中心課題とする考えを示した。全ての銃購入者は身元審査の対象となり、米国のメンタルヘルスと銃規制法の見直しを「滞りなく」推進すると述べ、銃規制強化反対派と争っていく構えも示した。
オバマ大統領はまた、ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)の責任者の不在について議会を批判した。そして、新責任者を決めることは来年の議会の最重要課題の1つだと述べた。
オバマ政権1期中にも何度か銃乱射事件が起きているが、オバマ大統領は銃規制の問題を避けてきた。記者に過去の行動の欠如について聞かれ、オバマ大統領は「コネティカット州の銃乱射事件が国民の注意を喚起した」と答えた。
また、事件以降沈黙してきたNRA(全米ライフル協会)は18日、「(こうした事件が)二度と起きないよう、意味ある貢献をしたい」というコメントを発表した。21日に記者会見を開く予定という。
海外紙は、果たしてオバマ大統領が銃規制を進展させることができるのか、今後の動向を見守る姿勢だ。
オバマ大統領は、攻撃用銃器や大容量弾倉の販売禁止、身元審査なしに行われる個人間の銃取引の規制を支援する方針を示した。バイデン副大統領を責任者とする特別チームをつくり、来月1月中に具体策を議会に提案するという。バイデン氏を起用した理由として、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、何十年も上院議員の経験があり、オバマ大統領にとって頼りになる人物だからと報じた。また、オバマ大統領による「バイデン氏が起草した1994年成立の犯罪法が暴力の減少につながったため」とするコメントも掲載した。
フィナンシャル・タイムズ紙は、最近の銃規制の動きはほとんど州レベルで行われてきたとして、各州の動きに着目した。ここ2年間で、コロラド州、ミシシッピ州、オレゴン州、ウィスコンシン州の4州で、キャンパスへ銃持ち込みを認める法案が通過している。ミシガン州のシュナイダー知事は、学校へ銃持ち込みを認める法案に反対すると約束したが、まだ同州では学校への銃持ち込みが許されている。一方、オハイオ州のケーシック知事は17日、州議会議事堂の駐車場ビルへの銃持ち込みを認める新法案に署名すると述べるなど、州レベルでも意見が分かれていることを指摘した。
ニューヨーク・タイムズ紙は、今回20人もの子供が犠牲となったことにより銃支持派の態度が緩和されてきていると報じた。銃規制反対派が多く、財政制作をめぐりオバマ氏と対立している下院共和党員らの間にも、銃規制強化受け入れに前向きな兆しがみられると報じた。