なぜドイツはEU改革案に反対するのか?

José_Manuel_Barroso

José_Manuel_Barroso EUの欧州委員会は28日、ユーロ圏の基本的な構造改革案を発表。バローゾ委員長は改革案の中で、ユーロ圏17ヶ国の経済・通貨統合を強化するべきとの認識を示した。バローゾ氏の案は3つの時間軸を設定。6~18ヶ月間で取り組み可能な案、18ヶ月から5年かかる案、そして2018年以降、最終段階でのみ達成される案で構成されている。
 海外各紙は、バローゾ氏の短期的、長期的な計画について報じるとともに、各国の反応について報じた。

 フィナンシャル・タイムズ紙はまず短期案にふれた。バローゾ氏が以前唱えていた、欧州中央銀行(ECB)によるユーロ圏銀行の監督が含まれているという。さらに、危機国援助基金である欧州安全メカニズム(ESM)の設立も、18ヶ月以内を目標としていると紹介。バローゾ氏が「すべての国が数ヶ月前に持っていたほどの切迫感を感じていない」と懸念を表明し、早急な行動をリーダーたちに要求したと報じた。またニューヨーク・タイムズ紙は、2014年から完全に機能させることを目的に、1月1日から欧州中央銀行による管理体制を実行に移す見込みだと報じた。
 また中期的には、欧州委員会が拒否権などを持ち、税や国債発行などで新たなユーロ圏の予算確保に向けて動く計画があると報じられた。計画は段階的に行われ、2,3年で満期を迎える短期国債を発行し、最終的には完全な欧州統合を目指すというものだ。

 この計画に反対している主要な国はドイツだ。ニューヨーク・タイムズ紙は、ドイツの税金が経済危機国に使われることに、納税者たちが強い反感を抱いていると報じた。さらに、ESMが根本的な解決になるのか疑問視する声も大きいとし、一度監視、調査をしたとしても根本的な解決につながらないのでは、という懸念の声も報じた。

Text by NewSphere 編集部