英中銀総裁に予想外の人事―海外紙は、異例人事を詳報―
海外紙は、意外な人事に込められた英政府の意図を報じるとともに、今後新総裁が直面する課題を取り上げている。
イギリス政府の意図について、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、マーク・カーニー氏の豊富な経験をオズボーン英財務大臣が重視したものと報じている。特に、中央銀行と民間の両部門における経験が、イギリス経済の再建に資するものとの見方を紹介している。またフィナンシャル・タイムズ紙は、カーニー氏が金融規制にも精通している点をオズボーン氏が買っていると報じている。一方ニューヨーク・タイムズ紙は、ロンドン銀行間取引金利の不正操作スキャンダルが今回のカーニー氏起用の大きな要因になっていると指摘している。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、英中央銀行の不透明性と硬直したヒエラルキーが批判の対象となっていたため、オズボーン氏が、外部から人材を招聘したかったと報じている。また、フィナンシャル・タイムズ紙とウォール・ストリート・ジャーナル紙の両紙ともに、英中央銀行の習慣を変革する必要があったという見方を掲載している。
予想される英中央銀行の変革について、ニューヨーク・タイムズ紙は、英中央銀行が、利率などの設定以外にも、イギリスの市中銀行およびその他金融機関を直接指導および規制することができるようになることに触れている。さらに同紙は、英中央銀行が、金融危機以前とは異なり、一転して厳しい規制を市中銀行に課すであろうと予測している。 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、強力な権限を持つことになる英中央銀行の総裁に就任することによって、カーニー氏がイギリスで最も有力な人物の一人となるであろうと予測している。さらに、同紙は、カーニー氏が急激な変革を行う公算は小さいとしつつも、同氏によってイギリスがグローバルな規制に準拠するようになるとの観測を紹介している。一方、ニューヨーク・タイムズ紙は、来年 7 月以降にカーニー氏が直面する課題として、イギリスが現在取っている積極的な紙幣増刷政策の継続の是非、および、中央銀行の独立性の維持について言及している。