【続】カタルーニャ議会選で独立派諸党が過半数―それでも前途多難な与党―

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spain_160_w 25日のスペイン・カタルーニャ州議会選挙で、スペインからの独立を求める諸党が過半数を獲得した。しかし独立派の与党・「集中と統一」党は、第一党の位置は維持したものの議席を62から50に減らし、独立に関しては一致しても統治政策ではかけ離れた他党と、連携を余儀なくされる情勢となっている。

 たとえば、第二党は10議席から21議席に倍増した左翼共和党で、独立に関してはより急進的であり、経済政策ではポピュリスト的・反資本主義的である。ニューヨーク・タイムズ紙は、同党の、「与党に支援を提供する用意はあるが政権に入るつもりはなく、また、約束通り独立投票を開催するだけでなく、健康や教育のような敏感な分野での予算削減を中止すべし」、とのメッセージを伝えている。与党代表のマス州知事は、元々はむしろ中央政府から地方予算緊縮の優等生と見られていた政治家であり、他の各州よりも重い経済負担を課せられているカタルーニャ州において、債務削減を遅らせることは苦しい選択となりそうだ。
 同紙は、右派と左派の連立が成功した試しはないと指摘しつつ、集中と統一党よりも一層急進的な独立派他党との連立は、中央政府に対する独立圧力を強めることにもなると書いている。さらに、集中と統一党の弱体化を見た中央政府が、カタルーニャ州への譲歩の姿勢を後退させれば、それもまた独立に向けてカタルーニャの態度を硬化させると論じた。

 与党の“敗因”について各紙は、独立問題を争点に持ち出したことでかえって同党が「日和見主義的」として埋没してしまい、賛否両端とも、より過激な小政党を利する結果になったと解説した。加えて同党は古くから独立を唱えていたわけではなく、にわか独立派ぶりが嫌われたようだともし指摘される。また、マス州知事が否定している汚職スキャンダルの報道も影響したという。

Text by NewSphere 編集部