EU、女性役員義務付け法案発表―各紙は各国の反応に注目―

 EUの欧州委員会は14日、上場企業の役員への女性割り当てを義務付ける法案を発表した。具体的には、非常勤役員に占める女性の割合を2020年までに40%以上に引き上げることを義務付ける。ただ、罰則の内容は各国に委ねられる。今後、一般から幅広く意見を求め、欧州理事会や欧州議会で法案を議論することになる。

 現在、上場企業で女性役員が占める割合はEU平均で13.7%。2010年は11.8%だったので改善傾向にある。ただし、国によって幅がある。すでに義務付けを行ったフランスでは22.3%にのぼるが、イタリア、ポルトガルなどは平均を大きく下回る。EUはこれまで「40%」目標を掲げてきたが、自主的な取り組みでは大きな効果を挙げられなかったとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、イギリスがこの法案に異議を申し立てたことを取り上げた。労働における男女平等などは、EUで制限されるものではなく、自国内で判断をするべきという主張だという。
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は関係者の反応を紹介した。女性雇用均衡化を推進する団体らは、「能力のある女性を管理職につかせなければ発展しない」と法案への期待を明らかにしている。一方、人種差別に詳しい弁護士は、雇用基準や判断基準の取り決めなどの課題がまだ法案にはあると指摘している。

Text by NewSphere 編集部