米老舗ニュース雑誌、80年の歴史に幕 デジタル一本勝負へ

Newsweek アメリカのニュース雑誌Newsweekが、紙媒体の発行を終了しデジタル版のみに移行すると発表した。80年近くアメリカの近代史を刻んできた同誌だが、過去数年間は赤字が続いていた。

Financial Timesの報道姿勢-紙媒体の苦境を分析-
 過去には優秀なジャーナリストを生み出してきたNewsweek誌だが、過去5年間で 出版部数が半減し、販売価格を値上げせざるを得ない状況だったと指摘した。広告収入も20%下落している。一方、ウェブサービスである「Daily Beast」の売り上げは70%上昇、広告収入も40%上昇するなど好調であると、今回の決断の背景を報じた。

The Wall Street Journalの報道姿勢―成功するかは未知数―
 現在Newsweekのオンライン購読者数は2万7千人であり、どこまで拡大できるか、差別化できるかが最大の課題と指摘した。初年度は適切な価格設定のためのテスト期間としている。ただ、オンライン化に舵を切った他の媒体企業の中には、従業員を3分の1にした企業もあるなど、相当苦しい状況になることを示唆している。

The New York Times の報道姿勢―ブラウン編集長に着目―
 「Newsweek」編集長のブラウン氏は、常にコンテンツの充実とコストなど経営指標のジレンマに悩んでいたと報じた。批判を浴びながらも過激な表紙にするなどの手を打ったことも紹介している。紙から電子版への移行は避けられず、いつ移行するかだけが課題だったという趣旨の発言をひき、現実的な判断だったことを示唆している。

Text by NewSphere 編集部