グーグル社決算フライング発表 株価急落

グーグル 18日正午、グーグルの第3四半期決算が発表された。株取引終了後の予定だったが、印刷業者のRRドネリーのミスによって早まったものだ。
 その内容は、売上高115億ドル、1株当たり利益は9.03ドルと、事前のアナリストの予想(各118億6000万ドル、1,0.65ドル)に及ばなかった。売上高は前年同期比45%増だが、利益は20%減。原因は苦境にあるモトローラを抱え、総コストが70%もの大幅上昇となったことに加え、広告単価の減少だとされる。
 これを受けて、同社株は一時10%下落。取引が一時停止されたのち、8%安で引け、1月以来の大幅な下げとなった。
 同社の株価は10月初めまでの3ヵ月間で30%も上昇し、過去最高値を記録した後、高値圏を維持していた。

Financial Timesの報道姿勢―右往左往のグーグルパニック-
 フライング発表された決算内容が、投資家を大きく失望させ、売りが殺到。大騒動になった、と報じた。
 一方、確かに一時株価が急落し、ナスダックのウェブサイトがクラッシュする騒ぎにはなったが、いずれも、フライングが原因ではなく、内容の正当な評価だとする識者も。同日の引けの時点で、グーグル株が8%安までしか戻せなかったのに対し、ミスをしたRRドネリー株が一時6%下げながらも、0.9%下落にまで戻したことにもこの真実味がうかがわれる。そもそも、このような「読み違い」は1月の会社収益報告書の発表時と同じ轍を踏んだともいえ、モトローラの悪影響を読み違えたため、とするアナリストもいた。

The New York Timesの報道姿勢―モバイル発展の明暗 巻き返しなるか―
 グーグルの決算内容は、モバイル発展に伴う同社の課題を浮き彫りにするものだとした。第1の課題はクリック単価。PCよりも画面の小さいモバイルでは、広告が目立つため、安易な(購入につながらない)クリックが多い。単価が下がり、広告料を稼ぐのは容易ではない、とした。第2の課題は、アップルへの支払い。モバイルの検索はアップルのデバイスで行われることが多く、一定の支払いが発生する。
 さらに、そもそも、過去3か月間の株価高値圏の維持が異常だったと示唆。株価の高騰を抑制する、反トラスト法規制の懸念という要素もあったことを報道した。
 
The Wall Street Journalの報道姿勢―グーグル、減益決算で株価急落―
 グーグル社決算のフライング発表を「事故」とし、しかし真の事故はその内容だったと評した。理由として、同社の中核事業であるウェブ検索の成長率への陰りと分析。原因として、クリック単価の下落、購入に直接つながる検索がグーグル以外の商業サイトでなされていること。マイクロソフトのBingやYahooといった競合の検索エンジンがシェアを伸ばしていることを紹介した。
 一方、ペイジCEOはこれらを解消できると自信をにじませた。実際、同社の決算の数値は決して悪いものではないと分析するアナリストもいる。
 同社によれば、現金保有額は、9月末で前決算時より26億ドル多い457億ドル。人員数は1058人減の5万3,546人だと報道した。

Text by NewSphere 編集部