小説顔負けの名画盗難事件

kunsthal_museum 16日未明、オランダ・ロッテルダムのクンストハル美術館から、ピカソ、モネ、マティス、ゴーギャンなどの作品計7点が盗まれた。防犯システム作動から5分後に警察が駆けつけたものの、間に合わなかったと発表された。これらの作品は地元のコレクターが遺贈したもので、開館20周年記念も兼ねた特別展が開かれていた最中の犯行だった。
 美術館側は被害額を明らかにしていないが、数百万ユーロ(数億円)の価値があるとみられている。ただ、これらの作品はあまりにも有名なため、闇市場での取引は不可能だとされる。展示作品の一部が選別されて盗まれたことからも、コレクターがプロに依頼した犯行か、身代金目的などではないかと予想されている。

Financial Timesの報道姿勢―警備体制の不備か―
 美術館側は、「最先端のセキュリティシステム」を備えていたと主張しているが、防犯専門家は、盗まれた作品が展示されていた特別展のセキュリティは不十分だったと指摘している。また、オランダではゴッホやレンブラントの絵画が強盗や破壊の被害にあっていると報じた。対策の不十分さを暗に批判する論調といえる。

International Herald Tribuneの報道姿勢―プロの犯行―
 2010年にパリでピカソ作品などが盗まれた事件も解決していない中、美術館のセキュリティー問題が再び浮き彫りにされたと報じている。元警察の専門家は、計画的で迅速に実行されたプロの犯行だと評している。

Text by NewSphere 編集部