どうなるスペイン救済
スペイン金融危機の緊迫感が高まる中、EUが救済要請の可能性を検討している。スペインの救済要請が正式に提出される前に協議が行われた。スペインの国債金利は最悪の状態を脱したが、劇的な改善にはつながっていない。スペインのラホイ首相は、緊縮財政を強いられることを嫌い、救済要請に踏み切れていない。
<各紙の報道>
FTは、EUとスペインの対応を報じている。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、「正式な要請が提出されなければ救済できない」と、スペインへ向けて圧力をかけていると指摘した。一方スペインは要請請求を避けるためヨーロッパ諸国へ工作していたが、結果は出なかったと報じている。28日、スペインは銀行部門の監査結果を発表する予定であり、ここで銀行救済に必要な額が明らかになる。1000億ユーロ(約10兆円)の救済資金が準備されているが、十分かどうかは監査結果次第であり、予断を許さない状況だと報じた。ただ、最終的にはスペイン政府は救済要請をせざるを得ないだろうと指摘した。
WSJは、カタルーニャ州の独立運動などスペイン内政問題を取り上げた。同州は国の中心で、自治が強く独特な言語も発達しているところだと紹介した。先日独立を訴えるデモが起こったばかりであり、国内分裂の可能性と財務状況の悪化がラホイ首相を悩ませていると報じた。カタルーニャ州長官マス氏は、中央政府が話し合いの余地も見せないことに不満を抱いているとした。また、スペイン国債の入札では、目標をうわまわる48億ユーロ(約4800億円)を調達したことにふれた。