薄熙来氏、有罪か? 側近の公判内容から明らかに

19日、国営通信の新華社は、薄氏が犯罪行為を行なっていた可能性に初めて言及した。薄氏の元側近で収賄罪などに問われている王立軍被告の公判での証言を報じる形で明らかになった。王氏は当初、英国人ヘイウッド氏殺害事件を隠蔽しようとした。しかし、1月28日に殺害の主犯は薄氏の妻、谷氏だと「重慶市共産党委員会の当時のトップ」に報告した。「1月29日朝、このトップは怒って王立軍に反駁し、顔に平手打ちを食らわせた」と「証人たちの証言」を引用して伝えた。名前は出ていないが、薄氏は当時、重慶市共産党委員会のトップだった。王被告は、谷氏が殺害を認めた際の会話をひそかに録音したが、当時は谷氏と良好な関係を保っていたため、行動しなかったとしている。薄氏はこれまで、党の規律違反にのみ問われていたが、犯罪の隠ぺいや汚職などの罪で刑事責任を追及される公算が大きくなった。

<各紙の報道>

FTは、薄氏が妻・谷開来氏の英国人殺害を隠ぺいしようとしたことを示唆する王被告の証言から、中国政府・党の腐敗が浮き彫りになったと報じている。今回新華社により発表された王氏の公判の様子は、初めての公式公判レポートだとしている。4月には、この事件については重大な規律の違反の疑いで調査中、とだけ公開されていたことも振り返っている。中国では司法が党・政府の力に及ばないものだということが明らかになったとしている。

WSJは、新華社の報道を詳しく掲載した。なお、薄氏の腹心の中国人経営者から、王氏の親族あてにアパートが2棟購入(3500万円相当)されていたことが明らかになった。

<参考リンク>

よくわからない人のための薄熙来失脚事件の流れまとめ1
よくわからない人のための薄熙来失脚事件の流れまとめ2
(安田峰俊(迷路人))

Text by NewSphere 編集部