日本にやって来る外国人観光客 旅行中に最も困ること

画像はイメージ(Flicker/ Fredrik Rubensson

新型コロナウイルスのパンデミックも落ち着きをみせ、日本を訪れる外国人旅行客の数は、徐々に回復傾向にあります。

株式会社地球の歩き方が運営している、訪日外国人向け旅行情報サイト「GOOD LUCK TRIP」は、2023年6月に「訪日外国人が日本旅行中に困ったこと」を調査しました。

訪日外国人が日本旅行で困ったことは?

今回の調査は、891人を対象に実施。

その結果、1位の「Wi-Fi環境」を筆頭に、「施設スタッフとのコミュニケーションがとれない」、「多言語表示の少なさ・分かりにくさ」が訪日外国人が日本旅行中に困っていることが判明しました。

また喫煙者にとっての1位は「喫煙できる場所の少なさ・分かりにくさ」。続いて「Wi-Fi環境」、「クレジット・デビットカードの利用」という結果でした。

ほかにも「公共交通の利用」「ゴミ箱の少なさ」などがあり、「困ったことはなかった」と答えた割合はわずか10%前後。

さらに同メディアは、上位3項目に関して「訪日外国人視点で改善して欲しいこと」を946人の男女に調査し、2024年1月26日に結果を発表しています。

どこにWi-Fiを充実させてほしいかといった問いに対し、1位は「宿泊施設内(ホテル・旅館など)」(96.2%)でほぼ全ての方が回答。

2位は「移動時に利用する施設内(駅、空港など)」で71.0%、3位は「乗り物内(電車内、バス内など)」で61.6%でした。

次に施設スタッフとのコミュニケーションがとれないことに関して、「多言語を話せるスタッフが必須」と答えた人は、69.6%と半数以上の人が回答しています。

最近では翻訳アプリも充実していますが、それだけでは不十分だと感じている外国人が多いようです。

また喫煙に対する解決策として、宿泊施設内(ホテル、旅館など)をはじめ、駅周辺や公園などの屋外の公共スペース、飲食施設内に喫煙場所を設けてほしいとの声が多くあがりました。

その際、母国語で書かれた看板や案内図の設置、および喫煙場所を表示するウェブサイトの開設を求める声が寄せられています。

今回の調査により浮き彫りになった、日本の改善点。

近年では「オーバーツーリズム」という言葉をよく耳にしますが、単に「外国人旅行客を受け入れれば良い」というものではありません。

観光地に暮らす地域住民の方も、普段通りの日常生活を送る権利があります。

外国人の方たちに心地よく日本を旅行してもらうためにも、また私たち日本人が困難なく暮らしていくためにも、政府や行政だけでなく、地域や店舗の改善、そして私たちの理解も必要となりそうです。

Text by 春野 なつ